「じゃんがら」全力でヴィーガン料理を開発した訳 人気のラーメンも忠実に"再現"した結果

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「ツアーのルートに当店が入っていまして、何十人かいらっしゃるお客様の中には、とんこつがダメという方が1人、2人いる。そうした方に食べていただける料理はないか、と私たちも考えていました」と安西副店長。

そこで、同チェーンでは2012年に期間限定商品として、野菜出汁(ベジブロス)の「全部野菜の醤油らあめん」を開発し提供し始めた。今は九州じゃんがらの店で、3種類のヴィーガンラーメンを食べられる。

自らもヴィーガンを食生活に取り入れた

2つ目の要因は、翌年、日本航空(JAL)からの依頼で、長距離の国際線のビジネスクラスに出す機内食として、「JAL特製九州じゃんがらヘルシーラーメン」を共同開発したことである。

3つ目は、下川社長自身がヴィーガン料理を食べるようになっていたことだ。実は、下川社長は過去に体調を崩し、食生活を変えようと食事をヴィーガン料理に切り替えたところ、1年もたたないうちに健康を取り戻した経験がある。

その3年前、2009年に妻の下川祠左都(まさこ)氏が自由が丘でヴィーガン料理の「T’s レストラン(ティーズレストラン)」を開業していたので、自身も妻が作るヴィーガン料理を食べるようにしたのだ。

生活スタイルも見直し、車移動を徒歩と電車に切り替えるなどしたところ、1年も経たないうちに体重が減り、体調も回復した。下川社長は、ヴィーガン料理をもっと広めるために、いずれはヴィーガン料理店を開きたい、と考えるようになっていた。

4つ目の要因が、コロナ禍。2020年、コロナ禍に巻き込まれた日本では、飲食店は軒並み休業し、人流は大幅に減り、海外旅行客もほぼ日本に来なくなった。九州じゃんがら原宿店舗も2フロア開けているのは意味がない、と2階店を休業していた。

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