「じゃんがら」全力でヴィーガン料理を開発した訳 人気のラーメンも忠実に"再現"した結果
同店の看板料理で唐辛子を利かせた「ヴィーガンからぼん」(1180円)と、焦がしニンニク入りの香味油であるマー油「こぼんしゃん」が特徴の「ヴィーガンこぼんしゃん」(1180円)は、出汁素材を含む多種類の野菜で作ったヴィーガンスープが特徴だ。
この2品はもともと、九州じゃんがらの看板メニュー。片やとんこつ出汁、片や野菜出汁と、材料がまったく違うのに味は同じという点から、両店で食べ比べる客もいるそうだ。
なぜラーメンチェーンがヴィーガンに挑戦?
九州じゃんがらと言えば、バブル期のとんこつラーメンブームの立役者の1つ。とんこつラーメンを全国的に有名にしたチェーン店が、あえてヴィーガン料理を始めた背景には、世界中で親しまれる日本食の代表、ラーメンならではの事情があった。
同チェーンの下川高士社長は東京出身だが、熊本県玉名市で育ち、とんこつラーメンに親しんでいた。1979年から進学補習塾「ブルカン塾」を始めた下川氏は、授業料を払えなくなった子どもたちを支援しようと、新たに開業したのが九州じゃんがらだった。
1号店は、秋葉原で1984年開業。原宿店は2号店で1986年開業。現在は、同じビルの1階に九州じゃんがら原宿店、2階がヴィーガンビストロ じゃんがらが入るが、当初はこの2階だけが九州じゃんがらだった。
下川社長がヴィーガン料理店を開いた理由は、4つある。
1つ目は、インバウンドの来店客が増えたこと。よく知られているように、日本のラーメンは今、世界的に人気が高い。九州じゃんがらにも、十数年前から中国、韓国、タイなど、世界各国の観光客が来るようになっていた。
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