「網膜剥離」片目がなっていても気づきにくい理由 世界的眼科医が語る「見えなくなっても治せる方法」

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大学病院などの研修病院でバックリング手術をした目よりも、何もせずに放置していた目のほうが、たとえ時間が経過していても、上級者による近代的な硝子体手術で治せることが多いのです。ぜひ慌てずに十分調べ、網膜剥離手術の経験豊富な眼科外科医を見つけて受診しましょう。

網膜の構造はこうなっている

網膜は10層の構造になっています。一番奥の層は網膜色素上皮層といい、その上の9層は神経網膜と呼びます。

この網膜色素上皮層では外から来た光が反射します。そして、すぐ上の網膜視細胞がその光に反応して電気信号を出す光受容部です。細胞層の表面側が電気信号を伝えていく伝達系の細胞層で、視神経へとつながって脳内の外側膝状体に伝わり、さらに後脳へと電気信号を伝えて、前脳が解釈することで、ものが見えるのです。

網膜が正常かは、片目ずつで見てチェックできます。両目で見ているだけだと、片目に起こる異変に気づかないのです。

片目の網膜に穴が開けば、穴からは色素細胞が出てきて、多くの濁りが飛ぶ「飛蚊症」がひどくなります。

さらに網膜剥離になれば、網膜剥離した側と反対の視野が、黒いカーテンが引かれるように見えない場所ができます。水晶体は両凸レンズであり、網膜に映る像は左右上下が反転しているためです。

網膜色素上皮層と神経網膜の癒着は弱く、はがれやすいのです。網膜剥離とは、この網膜色素上皮層と神経網膜の間がはがれた状態と理解してください。

はがれたときにできる穴から神経網膜の下に目の中の水が入り込むことで、裂孔原性網膜剥離が起きます。

外傷による網膜剥離は網膜の最周辺部の端で、のこぎりの形の鋸状縁が破けることが多いのです。ここに外傷の力がかかるのと、薄くて破けやすい場所だからです。

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