例えば、よくあるのが「決められた納期に遅れてしまう」というケースです。ファームに所属していれば、進捗管理を行っている上司が気づいて、期限を延ばして貰えるようにクライアントと交渉してくれたり、同僚が手を貸してくれたり、すぐに対応策が施されます。
その一方でフリーコンサルタントの場合、自分から意識的にSOSを出さなければ、状況はどんどん悪くなるだけです。進捗が滞った時点ですぐに「できれば1人、お手伝いくださる方を貸していただけないでしょうか」「期限をもう少し延ばすことことは可能でしょうか」と、自ら状況を説明したうえで解決案を提示する必要があります。
小まめな「報連相」は、トラブルの予防だけでなく、質の高い仕事をするためにも必要です。
クライアントの課題に対するアウトプットを作成する場合も、上司のフィードバックを受けたり、チームメンバーとさまざまな意見をぶつけ合うことで、その内容はブラッシュアップされます。「三人寄れば文殊の知恵」といわれるように、チームだからこそ、多角的な視点から最適な課題解決策を導き出すことができます。
その点、フリーランスになると、フィードバックをもらえる機会が圧倒的に減ります。そのぶん、“3人分”の力や視点を身につけるべきともいえますが、それよりも確実にアウトプットの質を高めるには、意識的に第三者の意見やアイデアを取り入れることが重要でしょう。
「私は都心部の客数が絶対的に足りない点が最大の課題だと思っているのですが、○○さんのご意見はどうですか」「商品の品質が悪いのではなく、あくまで認知が足りていないことが最大の課題だと思っていますが、いかがでしょうか」と、自らチームメンバーやクライアントに対してフィードバックを求め、壁打ちをしていくことを心がけるのです。
「個人で責任を負う」というのは、「すべてを1人で抱え込む」ということではありません。フリーランスだからこその第三者的な視点を持ちつつも、チームプレーを意識しましょう。
結局のところ、このような密なコミュニケーションが質の高い仕事と信頼関係を作ります。
指名で案件獲得も可能に
プロフェッショナルとして、またプロジェクトチームの一員として、クライアントの期待に応える働きをすれば、信用力は確実に蓄積されていきます。結果、「ぜひあなたに、次の案件もお願いしたい」と指名で仕事を受注できる機会も増えるでしょう。
コンサルティングファーム内の横のつながりによって、直接仕事をしたことがない他の担当者が、社内での評判を耳にして別案件で追加発注してくれるケースもよく聞きます。