リーダーの条件は“思い”。何かを変えたいという気持ちがなければ旅の仲間は集まってこない--出口治明・ライフネット生命保険社長(第5回・最終回)

✎ 1〜 ✎ 58 ✎ 59 ✎ 60 ✎ 最新
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小


 当時、誰もインターネットで保険を売ったことがなかったわけですし、セールスレディや代理店のお尻を叩いてやってきたような生保マーケのプロよりも、僕は中田に可能性を感じました。まだ赤字ですから成功したかどうかはわかりませんが、ほぼ同時に開業したネクスティア生命の2倍の業績ですから、現時点では彼女を選んでよかったと思っています。

--後継者についてはお考えですか。

去年の夏に初めてインターンを受け入れたのですが、彼らに「出口さんと岩瀬さんの影がめちゃくちゃ薄い。中田さんなど女性や若者が会社をひっぱっている様子にびっくりした」と言われました。既に僕と岩瀬がいなくても組織が成立しているんです。

岩瀬はダボス会議のヤング・グローバル・リーダーズにも選ばれるような人物ですが、岩瀬クラスの優秀な若者も5~6人はいますね。後継者についてはなにも心配していません。

--出口さんが考えるリーダーの条件についてお聞かせ下さい。

リーダー論についての色々なビジネス書がありますが、何よりも「ロード・オブ・ザ・リング(指輪物語)」を観るのが一番いいと思います。フロドという小人が指輪を滅ぼしにいく物語ですが、リーダーには3つの能力が必要であることがわかります。

まず重要なのは、「何かしたい」という“思い”です。麻生さんや菅さんのように、総理大臣になるのが目的だという人もいますが(笑)、何かしたいという思いがない人はリーダーとしては最低です。

次に“多くの仲間を集める能力”。1人では世の中を変えられませんので、旅の仲間を集める必要があります。“共感力”や“説得力”といってもいいですね。そして旅を最後まで続ける“統率力”も大切です。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事