スタバVSドトール「店舗数」に大きな差が出たワケ 出店加速のスタバに対し、閉店の多いドトール

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両者の店舗数に大きな差が出た要因のひとつは、店舗戦略の違いだ。

スターバックスは郊外型の店舗にも力を入れている。郊外型店舗では、ドライブスルーの導入も促進している。こういった事情から、駅前や繁華街中心で展開するドトールなどの競合ブランドよりも、「出店できる立地は多い」(スターバックスコーヒージャパン広報)ため、店舗数を大きく増やすことが可能だ。

また、スターバックスはフラペチーノなどの飲料メニューを拡充し、スコーンやドーナツといったフードメニューも増やしているので、コロナ禍でも郊外型店舗を中心に集客できた。

他方、ドトールは1980年の初出店時から小さな店舗の出店を続けた。2010年代以降は店舗形態の見直しに注力し、現在のような客席スペースを広く持つ店舗への転換を進めていた。

都内は出店競争が激しい

ただ、スペースに余力のある店舗となると、他の飲食チェーンとの競争が激しくなる。中でも、ドトールが得意とする都内では出店競争が厳しく、無理に出店するとなると自社ブランド同士で、客数の奪い合いが起きる懸念もある。

「(都内で)出店したとしても十分な売り上げを確保できるとは限らない。(大幅に店舗数を増やすのは)難しいだろう」と、ドトール・日レスHDの関根一博取締役は話す。

ドトールは今期、通期ベースで店舗純増20店を計画している。だが、8月までの時点で計22店舗を出店したものの、フランチャイズ店舗の閉店もあり、全体では1店舗の純増にとどまっている。通期20の純増計画はハードルが高そうだ。

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