直近では、環境省「令和5年度脱炭素社会実現のための都市間連携事業委託業務(2次公募)」を北九州市などと共同で受託。パラオのコロール州と連携した脱炭素都市形成や、再生可能エネルギー等に関する事業の可能性を調査する。
価格設定の根拠はなにか?
ところでEVといえば、ネックとなるのは車両価格の高さだ。その点について、佐藤氏は「エンジン車の1.5倍以内に抑える」という一定の目安を定めている。その根拠を以下のような試算で示した。
「バッテリー価格は車両価格の約1/3。航続距離は200km以上(バッテリー容量200kWh超)で、ランニングコストは中国でエンジン搭載EV(シリーズハイブリッド車)と比較して約1/5、日本では約1/3であるため、3年から5年で償却できる。バッテリーを除けば、エンジン搭載EVとEVバスはほぼ同じ価格になる」
さらに、当面の間は国や自治体から車両購入や充電インフラに対する補助金も出る。
最後に、EVモーターズ・ジャパンとして将来の目標を聞いた。すると、佐藤氏からは「バッテリーを中核として、福島などで起こったような大規模な災害に対して早く準備したい」と明確な答えが返ってきた。
「2050年カーボンニュートラル達成」という観点は当然あるものの、欧米や中国などと比べてエネルギー自給率は低く、今後も大規模地震の発生確率が高い日本において、現実的な防災対策の必要性を訴える。
そのうえで、日本が次世代のグローバル産業界で生き残るためには、地域や事業所内での自立式の発電・充電が可能で、かつ不足分については系統連携しつつも電力のピークを起こさないようなエネルギーマネジメントシステムを含めた、「新都市交通システム構築」のインフラ輸出を目指すとした。
長年にわたるEV関連の電池制御での実績に裏打ちされた、日本発EVベンチャーの今後の躍進に大いに期待したいと思う。
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