急進する「EVモーターズ・ジャパン」とは何者か 中国企業と提携でEVバスを作る北九州の注目株

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生産体制については、「現在、中国の3社と車体製造で連携している。(採用する)電池は日本および中国のメーカーだが、BMS(バッテリーマネジメントシステム)やインバータなどは自社設計として、その一部製造を中国で行う」と、EVの主要技術であるパワートレインに関連する部分は、「日本で培った技術」である点を強調した。

こうしたEVモーターズ・ジャパンの経営方針は、中国企業にとってタイミングもよかった。2020年までEV製造に関連した国の補助金制度があり、その機会に海外進出を検討するEVバス製造企業が少なくなかったからだ。

「ゼロエミッション e-PARK」を建設中

EVモーターズ・ジャパンは今、若松区内にゼロエミッション社会の実現をコンセプトとした体感型EV複合施設「ゼロエミッション e-PARK」を建設中だ。

「ゼロエミッション e-PARK」の完成予想モデル。EVモーターズ・ジャパン本社にて(筆者撮影)
「ゼロエミッション e-PARK」の完成予想モデル。EVモーターズ・ジャパン本社にて(筆者撮影)

ここは最終的には1500台規模の商用EVの生産拠点となるが、佐藤氏は「最終組み立てだけではなく、R&D拠点や自動運転を含めたテストコースとして活用したい。また、多くの人に実際にEVを体感していただけるスペースを目指す」と、e-PARKの準備が進んでいることを強調する。

また今後、年間1万台程度のペースで日本国内のバスのEV化が見込まれる中、売れ行きによってはe-PARKのみでの製造では対応しきれなくなる可能性も示唆した。

なお、中国では車体や部品の製造は行うものの、中国国内への規格と日本など海外向けの規格(欧州UN規格)が違うことなどから、現状では中国国内向け販売は考慮していないという。

そのほか、東南アジアでノックダウンの検討を進めるとした。ノックダウンとは、関税措置を考慮し、部品を輸出して現地で最終組み立てを行う生産方法だ。

過去に佐藤氏は、ベトナム・ハロン湾での再エネ関連開発においてのEV活用として、高温多湿な環境下での急速充電や自立型電源の確保を検証した経緯もある。

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