勝負は3秒!そそる仕掛けで歩きスマホは減るか あっと驚く、ついつい見てしまう仕掛け3選

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ほとんどの人はポスターに目を向けないし、目を向けたとしても3秒程度しか見ない。ポスターに限らず仕掛けを設置したときも、この3秒が勝負になると考えている。

3秒ルール

3秒以内に興味を持ってもらうためには、見た瞬間に興味を引きつけることが重要になる。バスケットゴールのついたゴミ箱が通行人の興味を引くのは、多くの人が体育の授業などでバスケットボールで遊んで楽しかった記憶があるからである。バスケットゴールを見た瞬間にそのときの楽しかった記憶が想起されるので、やってみたいという気にさせる。

目を向けさせるだけなら、派手なものや珍しいものを置いてもよいが、それだけだと仕掛けにはならない。仕掛けは問題解決につながる行動を促すものであり、行動につながらないものは仕掛けではないからである。

バスケットゴールの場合は、見た瞬間にボールを投げ入れるという行動が想起される。投げ入れるという行動とゴミ箱とが組み合わさることで、ゴミをバスケットボールに投げ入れるという行動に容易に結びつく。その結果として、ゴミでシュートするという行動が促されるのである。

3秒で読める文字数なんてたかが知れている。見た瞬間に興味を引きつけ、特定の行動と結びつくためには、既に使い方を知っているものを利用するのが一番簡単である。したがって、仕掛けは人の過去の記憶や体験に訴えかけるものを利用することが多い。見た瞬間に記憶と結びついた行動が想起され、そそられるからである。

なお、3秒ルールにも例外はある。立ち止まることが強いられる場所、たとえば電車の中やエレベーターの中、信号待ちをしているとき、行列に並んでいるとき、レストランで料理を待っているときなどである。そういう場面では3秒を超えるアプローチも可能なので、仕掛けを設置する状況に合わせて検討する必要がある。

視覚を利用した仕掛けをもう2つ紹介しよう。

指さしオブジェ

赤ちゃんは言葉を話しはじめる前から指差しをするようになる。それくらい指差しはコミュニケーションにとって重要であり、私たちも日々の生活の中で知らず知らずのうちに多用している。その指差しが意外なところにあれば、気になって指の指し示す先を見てしまうに違いない。

次ページ指さしオブジェで行動は変わるか?
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事