伊藤園「ボトル缶コーヒー」値上げしても好調の訳 ボスやジョージアなど強豪商品を上回る勢い
2022年以降、コーヒー豆やアルミなどの原材料の高騰を受け、飲料各社が相次いでコーヒー飲料の値上げを実施。これが「市場の低迷に拍車をかけている」(複数の飲料業界関係者)。
タリーズのボトル缶コーヒーも、値上げを余儀なくされた。バリスタズブラック(390ml)は、昨年10月と今年5月に価格改定を実施。元の希望小売価格が133円だったところ、二度の値上げを通じて現在は160円となっている。
20%もの値上げを実施したにもかかわらず、その後の販売ペースは落ちないどころか、むしろ伸長しているのだ。
タリーズ飲料は販売低迷からV字回復
伊藤園は2006年にタリーズコーヒージャパンを買収。カフェ事業では現在、770店舗超を運営している。
さらに、伊藤園は2007年にタリーズブランドを用いたコーヒー飲料事業を開始。2009年に発売したボトル缶コーヒーが同事業の成長を加速させ、2017年にはブランド全体の出荷数量で1500万箱を超えた。
順調に売り上げを伸ばしてきたタリーズ飲料だが、2017年から2018年にかけて強い逆風が吹き付けた。ペットボトルコーヒーの台頭だ。
2017年に、サントリー食品インターナショナルがペットボトルコーヒー「クラフトボス」を発売すると顧客の支持を受け、瞬く間に需要が拡大。以降もペットボトル需要は衰えを見せず、2022年のコーヒー飲料市場におけるペットボトルのシェアは40%を超えている(インテージSRI+データ)。
ボトル缶が主力のタリーズ飲料の売り上げは、徐々に低迷していった。
ところが、である。2021年あたりからタリーズ飲料の売り上げは復調。翌年には、一気に過去最高の販売数量を叩き出した。
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