美容院が苦手な子も気持ちよく髪が切れるように 発達障害の子ども一人ひとりの特性に寄り添って

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座っていられない、ドライヤーが苦手……障害や気質によって、美容院が苦手な子どもがいます。美容師の赤松さんは、そんな子どもたちの特性に配慮したカットをする美容院を全国に広げる活動をしています(写真は赤松隆滋さん© mao yamamoto)
不登校の子どもたちのなかには、発達障害を抱える子も少なくありません。そうした子どもたちは学校のほかに、お店や病院などでも「すごしづらさ」を感じていることがあります。今回は障害や気質によって髪を切るのが苦手な子どもに寄り添う「スマイルカット」の活動をする美容師・赤松隆滋さんにお話をうかがいました。

髪を切ってすっきりする、誰にでもある当然の権利

――「スマイルカット」とはどのような活動なのでしょうか?

当記事は不登校新聞の提供記事です

活動についてお話しする前にまず、みなさんはどんなときに美容室を利用したいと思いますか? 私はかつて、ひきこもりの方の髪を切らせていただいたことがあります。他人との関わりに強い負担を感じているその人が、苦しさを押してまで私にカットをお願いしたのは、「身だしなみを整えたいと思ったから」だったそうです。髪を切ること自体は自分でやったり家族にお願いしたりすることもできます。この方も以前は自分で切っていたそうです。

でも、「外へ出たい」という気持ちが出てきたとき、美容師の手を借りようと思われたそうです。プロに髪を切ってもらって、さっぱりとした姿で社会へ出たいと。お店に電話するのに3回も吐くというたいへんな思いをしながら、私に連絡をしてくれました。

髪を切ってすっきりする、それは誰にでもある当然の権利で、美容室はそのお客さんの期待に応えるためにあります。しかしそれが思うようにできない、すっきりするために美容室に来ているのに逆に不快な思いをさせられて困っているという人たちがいます。

私はそのなかでも、発達障害や感覚過敏の気質などを抱える子どもたちに関わり、子どもたちが髪を切るのが楽しくなるような環境づくりに取り組んでいます。それが「スマイルカット」です。

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