それでは、アパレルでの値上げはあきらめたほうが良いのでしょうか?
実はそうではありません。
アパレルで「値上げ」は行えるのか?
ここまで紹介した数値は、あくまで全体平均です。
市場での実態は、ブランド力のある企業は継続的に値上げできている一方、値上げができない中小プレーヤーがたくさんいるという構造になっています。
アパレル市場は非常に細分化された市場構造です。
グローバルでシェアトップのZARAを擁するインディテックスでもシェアは約2%しかなく、市場には有象無象のブランドがたくさんあります。
そのような中で、「値上げをできるブランド」と「そうではないブランド」の差が開き続けているのが実態です。
たとえば、アメリカのあるアフォーダブルラグジュアリーのブランドでは、コートなどの重衣料において、2013年の価格を100とすると2023年は170になるまで値上げしています。
また、高価格帯ではなく低価格帯の外資系マスアパレルでも、同じく重衣料で2013年の100に対し140と、40%の値上げに成功している企業もあります。
一方で、国内アパレル企業でここまで値上げできている企業は、ほとんどありません。大半が2013年対比でCPIの衣料品平均上昇幅と近似している20%程度の値上げか、それよりも低い値に留まっています。
この差はどこから来るのでしょうか?
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