鹿児島「鉄道廃止」と関係なく発展した街の現在 旧大隅線古江―志布志間、人口約10万の鹿屋市

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このバスターミナルには、垂水―鴨池間のフェリーに乗せて鹿屋と鹿児島市内を結ぶ1日4往復の鹿屋―鹿児島直行バスや、1日6往復ある鹿屋―鹿児島空港間の特急バスも発着する。広域的な公共交通機関としては、これらが主軸となる。

スーパーマーケットの目の前に設けられた鹿屋バス停(筆者撮影)

鹿屋から志布志方面への大隅線は、旧吾平町の吾平、肝付町の大隅高山(こうやま)を経て、旧串良町の串良へと向かっていた。ローカル鉄道ではありがちだが、中心都市から放射状に流れる需要に反して、散在する大小の町を丹念にたどって貨物や利用客を集めるよう、迂回を繰り返す線形になっていた例が少なからず。鹿屋から串良、志布志方面へも、ほぼまっすぐ東へ向かう国道220号を通れば近いが、大隅線はそういう経路を取っていなかったのだ。

大隅線とは違うバスのルート

垂水―鹿屋―志布志間の鹿児島交通の路線バスも、大半の便が鹿屋から東へは東笠之原、国道220号を経由し串良へと至り、吾平や高山は経由しない。鹿屋から吾平経由高山まで走る系統は、大隅半島の太平洋側にある、ロケット打ち上げ施設で知られる内之浦への路線だ。

吾平止まり、高山止まりの便も合わせると、運転時刻は偏ってはいるものの、以前は日中も1時間に1本程度、途中経由地をきめ細かく変えつつ走っていた。ただやはり10月のダイヤ改正で減便となり、最大2時間程度、間隔が空く時間帯ができてしまっている。

鹿屋12時40分発は、その内之浦行き。市役所前を通るが、利用客は数えるほどだ。県立鹿屋工業高校、工業団地前などを経由し、やはりシラス台地の上を淡々と走る。鹿屋市吾平総合支所の前まで来ると、鹿屋からはかなり南下した感じだ。吾平で東へ進路を変える。

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