大躍進「翔んで埼玉続編」が話題増産に成功した訳 SNS時代の新たな映画の楽しみ方とPR戦略
作品とプロモーションが一体化した、「ネタ映画」
「翔んで埼玉」シリーズの作品の重要な点は、作品の中にいくつもの話題にしたくなるような「ネタ」が仕込まれていて、口コミが誘発されるつくりになっているという点だ。
ご当地のトリビアやディスりはもちろん、出演タレントのネタ、他作品のパロディーなど、各シーンに話題にしたくなるネタが盛り込まれている。
実際、前作がテレビ放映された際に、膨大な口コミが発生したのは、こうしたネタが多数投稿され、拡散されたことによる。
越谷市のイオンレイクタウンで行われた公開記念イベントで、出演者の益若つばささんが「映画を見た方が感想やツッコミを交流サイトやトークで拡散することで映画が終結する。日本埼玉化計画に協力をお願いします」と語っている。
益若氏のこの言葉は、本作品の本質を表していると言える。
公式の宣伝に触れるのみでなく、ニュースやSNSで事前に見て期待を膨らませ、作品を鑑賞して楽しみ、後でSNSに投稿したり拡散したりする。「翔んで埼玉」は、そういうプロセスで楽しみを最大化することができる。
そうした点を考えると、「翔んで埼玉」シリーズは、作品自体がプロモーションの素材になっており、作品の話題が自走する仕組みになっていると言えるだろう。
本作は、現代的な映画のプロモーションを行ったにとどまらず、新しい映画の楽しみ方も提示していると言えるのかもしれない。
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