モデル歴アリ20代婚活女性、一回り上にフラれる 2世帯、婿養子、家の格「親の口出し」が招く問題

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なぜ、しょういちの母はそこまで露骨に反対をしたのか。

まずは、さゆりの学歴が高卒だったこと。芸能界の仕事をかじっていたこと。そして、さゆりの両親が離婚をしていたこと。“育ちが悪い”“家の格が違う”というのが、反対の理由だった。

娘を金持ちと結婚させようと必死な女性側の母。息子が選んだ女性の経歴が気に食わないと、露骨に反対する男性側の母。子どもの幸せを願わない親はいないのだが、過度な愛情、過干渉は、子どもから幸せを遠ざけているのを理解していないのではないか。

たとえ2世帯でも同居は嫌

やすこ(37歳、仮名)は、都内のメーカーに勤め、商品の企画開発部に所属していた。入社時からその部署を希望していたが、最初は営業部に配属になり、その後は総務部。やっとのことで移れた希望の部署だったので、結婚後も仕事を続けたいと思っていた。

バリキャリタイプのやすこは、これまで仕事に夢中で結婚をなおざりにしてきたのだが、36歳になって、「出産を考えたら、ここ1~2年のうちに結婚をしたほうがいい」と思い、結婚相談所での婚活を始めた。そして、半年活動をした末に、きよたか(41歳、仮名)と出会い、成婚を決めて、退会していった。

きよたかは都内で働く団体職員で、仕事も安定しており、「結婚後も仕事を続けたい」というやすこの気持ちを尊重してくれていた。

新居は、2人の職場の中間地点にマンションを借りることにした。公園、保育園、託児所、病院などがなるべく近くにあり、子どもが生まれたときに育てやすい環境にある物件を探していたようだ。

ところが、成婚退会をしてから1カ月後、「結局、結婚の話は破談になりました。もう一度活動をします」という連絡が、やすこから入ってきた。

事務所にやってきたやすこは、破談の経緯を語り出した。

「きよたかさんの家に、結婚のごあいさつに行ったときに、ご両親から言われたんです。『ここを2世帯に建て直そうと思うんだけれど、どうだろう』って。寝耳に水でした」

その費用はすべてきよたかの親が出す。「都内の賃貸は、2LDKが13万〜15万円はする。そのお金が浮いたら、貯金や子どもができたときの教育費に回せるのではないか」とも言われた。

きよたかの家は、やすこの職場にも40~50分もあれば行ける、都内23区の一等地にあった。

さらに、母親は続けた。「外側に階段をつけて、玄関は別、トイレもキッチンもお風呂も別にしようと考えているんですよ。上と下というだけで、別々の家。私たちも、2人の生活に口出ししようとは思っていないし」。

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