やすこは、筆者に続けた。
「父親に頭の上がらない夫。知った顔で子育て論をいう母親。そんなところにお嫁にいっても、絶対にうまくいかないと思いました」
地方から上京し、大学時代から1人暮らしをしてきたやすこにとっては、親の言いなりになっているきよたかが頼りなく感じた。
きよたかは、実家が都内の一等地にあったので、1人暮らしの経験がない。親の言うことを聞いて2世帯に住めば、15万円近い家賃の出費もなくなり、子どもができたときにもサポートを親に頼めると、安易に思っていた。
親から自立しているやすこ、どこか親離れできていないきよたかでは、結婚してもうまくいかなかっただろう。
口出しは“よかれ”と思う親
結婚相談所の場合、お見合いからお付き合いに入り、結婚をしてもいいという相手が現れると、男性がプロポーズをして、それを女性が受ける。そして成婚退会となる。その後は、それぞれの両親に結婚のあいさつに行く。まずは女性の両親、続いて男性の両親というのが、一般的な順序だ。
このときに、大抵の親は歓迎してくれるのだが、前出のさゆりのように“この結婚には賛成しかねる”という空気を醸し出す親もいる。
また、親から予想もしていなかったことを言われることがある。
2人目のやすこのように、2世帯の同居の打診。ほかにも、女性が一人娘で、 “婿養子に来てくれないか”と突然お願いされ、最終的にそれが受け入れられずに、破談になったケースもあった。
結婚は当人同士の気持ちが大事。しかし、恋愛とは違って、結婚では家と家の結びつきの問題が少なからず出てくる。
親には親の常識、希望があって、そこに添えない結婚にはいい顔ができない。また親の口出しは子どもの幸せを願ってのこと。それは善意であり、親にとっての正論なのだ。
親に反対をされると、結婚しようという前向きな気持ちがいったん止まるし、考えた挙句に気持ちが翻ってしまうこともある。
親の口出しにどう向き合うか。親に反対されてもそれを押し切って2人で結婚を進めていくか。後者の場合は相当の覚悟がいるだろう。
相談所でのケースを見ていると、親にいい顔をされなかった結婚は、破談になることがとても多い……。
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