さとうほなみ「俳優×ミュージシャン」への本音 もともと役者として小学生から活動していた
樋口:どこか影を持った祥子は、これまでさとうさんが演じてきた役の中で一番、普段のご本人に近い役どころなのでは?と思いました。さとうさんご本人も男の手には負えない、役よりももっとミステリアスな女性ではないですか?
さとう:う〜ん、私は単純明快ですよ(笑)。“謎多き”みたいな役が続いたのもあって、そう言われることもたまにありますが、実際関わってもらうとすごくわかりやすい人間だなって思うのじゃないでしょうか。
イメージと違う「明るさ」
樋口:そうなんですか〜。さとうさんは、作品の中でちゃんと影を纏うことができていて、こういう俳優さんってなかなかいなかったなって思いました。
さとう:そう言っていただけるとうれしいです。今回は2回オーディションがあったのですが、1回目の時に監督(荒井晴彦さん)から「祥子は暗い人間だけど、あなた明るいよね」って言われて、あ、落ちたなと思ったんです。でも思いがけず2回目もお声がけいただいて、監督の中で何が起きたのかしら?って思って。それから映画祭で私がオーディションの時の話をしたら、監督が「最初からほなみに決まってたよ」って仰るから、うそばっかりって思いました(笑)。
樋口:さとうさん、明るいんだ……! 今日もよく笑ってくださるのでイメージと違うなと思ってはいたんです(笑)。「俳優さとうほなみ」にまんまとだまされました! 普段もきっとこういう人で、地の延長線のところで刹那を持ってきてスクリーンに落とし込んでいるんだろうって思ってました。俳優ってすごいな〜! それにしても監督の選択は、まったくもって正しかったです。
さとう:いえ〜い! 私は寝たら忘れるタイプだし、(笑いの)ツボも浅いので、楽しそうだな自分とは思います。
樋口:そうなんですか。
さとう:あ、でも、明るいっていうのは荒井監督が仰っただけで、私自身は底抜けに明るいと思っているわけじゃないんですよ。
樋口:えっ、どっち?(笑)