さとうほなみ「俳優×ミュージシャン」への本音 もともと役者として小学生から活動していた

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樋口:過去作品と今作を見て、「ミュージシャンが片手間で出ているなんて絶対に思われたくない。俳優さとうほなみとして演じているんだ」というさとうさんの強い思いみたいなものを勝手に感じました。ご自身として俳優業の手応えはどう感じていますか?

「さとうほなみ」と「ほな・いこか」それぞれで精一杯に

さとう:「さとうほなみ」として俳優をやり始めた頃は、「ほな・いこか」と同一人物であることを知ってもらえたらうれしいなと考えていました。でも今は「さとうほなみ」と「ほな・いこか」のそれぞれができることを、精一杯やらせてもらおうと思っています。何より、これまで携わらせていただいた作品はどれもすごくいい作品ばかりで、全力でやらせていただいています。

樋口:ミュージシャンとしてだけではまだ表現しきれない、自分の中の満たされない気持ちみたいなものがあったり?

さとう:私はもともと役者がやりたくて、小学生の頃から活動していたんです。その中で色々環境を変えていこうと思っていた時に、バンドに出会ってのめり込んでやるようになりました。

樋口:最初から、俳優活動されていたんですね!

さとう:そうなんです。

写真/内田裕介(タイズブリック)

樋口:今回、クラスで一番の嫌われ者を演じた2004年の短編映画『新ここからの景』も観せていただいたのですが、あまりにも幼くて、さとうさんかどうかわからなかったんです。眼鏡もかけていて名前も漢字でした。

さとう:観ていただいたんですね! 私、怖くてまだ観れてないんですよ(笑)。なんでU-NEXTに上がっているのかとびっくりしました。

樋口:あれは「さとうほなみ」「ほな・いこか」のマニアが10万円ぐらいでDVDを取引するようなレベルのものですよね。裏として回ってもおかしくない! それがこんな簡単にネットで見られてしまっていいのか?ってびっくりしました。

さとう:アハハ(笑)。便利な世の中になりましたよね。

※後編(11月12日公開予定)に続きます。

●さとうほなみ
1989年8月22日生まれ。東京都出身。2017年よりさとうほなみとして女優活動をスタート。近年の主な映画作品に『窮鼠はチーズの夢を見る』(2020/行定勲監督)、Netflix『彼女』(2021/廣木隆一監督)、『恋焦がれ歌え』(2021/熊坂出監督)、『愛なのに』(2022/城定秀夫監督)、『銀平町シネマブルース』(2023/城定秀夫監督)。ドラマではABEMA「30までにとうるさくて」(2022)、「六本木クラス」(2022/EX)、Netflix「今際の国のアリス シーズン2」(2022)、「あなたがしてくれなくても」(2023/CX)、「彼女たちの犯罪」(2023/YTV)など。「ゲスの極み乙女」のほな・いこかとしても活動。
●樋口毅宏(ひぐち・たけひろ)
1971年、東京都豊島区雑司が谷生まれ。出版社勤務の後、2009年『さらば雑司ケ谷』で作家デビュー。2011年『民宿雪国』で第24回山本周五郎賞候補および第2回山田風太郎賞候補、2012年『テロルのすべて』で第14回大藪春彦賞候補に。著書に『日本のセックス』『二十五の瞳』『愛される資格』『東京パパ友ラブストーリー』『大江千里と渡辺美里って結婚するんだとばかり思ってた』など。妻は弁護士でタレントの三輪記子さん。最新刊『無法の世界』(KADOKAWA)が好評発売中。カバーイラストは江口寿史さん。
SNS/公式X(旧Twitter)

■『花腐し』(HANAKUTASHI)
斜陽の一途にあるピンク映画業界。栩谷(綾野 剛)は監督だが、もう5年も映画を撮れていない。梅雨のある日、栩谷は大家から、とあるアパートの住人への立ち退き交渉を頼まれる。その男・伊関(柄本 佑)は、かつてシナリオを描いていた。映画を夢見たふたりの男の人生は、祥子(さとうほなみ)という一人の女優との奇縁によって交錯していく。3人の男女が織りなす切なくも純粋な愛の物語。原作は第123回芥川賞に輝いた松浦寿輝による同名小説。『Wの悲劇』(1984)や『ヴァイブレータ』(2003)などを手掛け、日本を代表する脚本家のひとりでもある荒井晴彦が監督を務めた。
11月10日(金)より全国公開中。
HP/映画『花腐し』公式サイト

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