「待ち時間が長い」薬不足がもたらす薬局での支障 薬剤師が解説「今こそ薬に頼らない感染対策を」
詳しくは後述しますが、薬不足は薬局での待ち時間にも影響を及ぼします。日本保険薬局協会が実施した「管理薬剤師アンケート」によると、患者から「待ち時間の増加」の指摘があったと回答した薬局は54.3%と、半数以上にのぼったと報告されています。
「薬の供給不足によって、薬局に追加的に生じた業務の内容と時間について調べた日本薬剤師会のアンケート調査では、追加業務にかかる時間は薬局あたり1日平均98.1分と報告されています」(水さん)
薬不足のため薬局に発生した業務には、患者にかかわる業務も多く含まれます。
たとえば、薬局では薬が不足した場合、医薬品卸や近隣のグループ薬局への在庫の確認を行います。患者にすぐに薬を渡すことができるかを確認するためです。問い合わせの結果、近くの支店から薬を融通してもらえるなら、スタッフが薬を受け取りに行くなどの対応をします。
一方、納品までに時間がかかるとなれば、代替品への変更を処方医(処方箋を出した医師)に問い合わせたり、薬がすべてそろうほかの薬局を探して患者を案内したりします。
薬が不足すると、通常の業務のほかにこうした一連のやりとりが生じ、時間を要します。そのため薬を受け取るまでの待ち時間が長くなってしまうのです。
他の薬局からの融通も難しい
薬不足を受け、厚生労働省は咳止めや痰切りの薬が必要とする患者のもとに届けられるよう、薬局などに協力を求める事務連絡を発出しました。依頼のなかには、可能な限り地域の連携によって咳止めの薬などを調整することが挙げられています。
しかし、現状はそれほど甘くありません。
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