スズキ新型「スペーシア」後席快適性向上の秘策 軽自動車でミニバンのようなオットマンを採用

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ジャパンモビリティショー2023に展示されていたスペーシアカスタムのコンセプトカー
ジャパンモビリティショー2023に展示されていたスペーシアカスタムのコンセプトカー(筆者撮影)

スペーシア・シリーズは、長年大きな支持を受けているモデルだけに、ある程度の固定イメージを持っているユーザーも多く、大がかりなデザイン変更はかなりの「バクチ」となってしまうからだろう。とくに以前からこのモデルに乗っていたり、購入を検討していたりするユーザーは、外観がガラリと変わると戸惑いや違和感を持つ場合も多い。そうなると、例えば、旧モデルから新型への乗り換え組が減るなど、結果的に新車販売台数へ大きな影響を与える可能性もある。あえて外観デザインの雰囲気をキープした背景には、そうしたユーザー嗜好も大きいのかもしれない。

パワートレインとグレード構成について

スペーシアカスタム(コンセプトカー)のサイドビュー
スペーシアカスタム(コンセプトカー)のサイドビュー(筆者撮影)

新型モデルのパワートレインは、先代モデルと同様に、NAエンジン車とターボエンジン車を設定し、全車にマイルドハイブリッドシステムを採用する。全タイプに2WD(FF)車と4WD車を揃えている点も同じだ。

グレード展開は、スタンダードのスペーシアにベースグレードの「HYBRID G」と上級グレード「HYBRID X」を設定し、いずれもNAエンジン車のみを用意する。スペーシアカスタムでは、ベースグレードの「HYBRID GS」と上級グレードの「HYBRID XS」がNAエンジン車で、さらにターボエンジン車の「HYBRID XSターボ」も用意する。

新型のパワートレイン構成は、基本的に先代モデルと同じだ。だが、NAエンジン車には、先代モデルが搭載していた658ccのR06A型を、より燃焼効率を向上させた657ccのR06D型に変更している。これにより、最高出力は先代モデルの38kW(52PS)から36kW(49PS)とややダウンしているが、そのぶん燃費性能がアップ。とくにスペーシアHYBRID Gの2WD車では、WLTCモード値25.1km/Lという低燃費を実現する。

スズキの調査によれば、この数値は、全高1700mmを超える軽スーパーハイトワゴンのクラスでトップだという(2023年11月現在)。なお、ターボエンジン車のパワートレインは、先代モデルと同じR06A型を搭載し、47kW(64PS)という最高出力なども同じ。燃費性能はWLTCモード値19.8~21.9km/Lとなっている。

電動パーキングブレーキのスイッチ
電動パーキングブレーキのスイッチ(写真:スズキ)

走行関連の新装備としては、「電動パーキングブレーキ」が追加されていることも注目だ(グレード別設定)。スイッチひとつで簡単に操作できるほか、シフト操作やアクセルと連動して作動や解除を行うことも可能だ。従来の機械式と比べ、発進時などに解除し忘れることがなく、非常に便利だ。また、停車中にブレーキペダルから足を離しても停車状態をキープする「オートブレーキホールド」も装備し、信号待ちや渋滞時などで、ドライバーの疲労軽減に貢献する。

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