スズキ新型「スペーシア」後席快適性向上の秘策 軽自動車でミニバンのようなオットマンを採用

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また、新型モデルでは、室内の空気を効率よく循環させて、冷たい空気や温かい空気の偏りを解消するスリムサーキュレーター(グレード別設定)も改良。新型では、作動音をより低減することで、室内の静粛性を向上させるといった改善も行っている。

折りたたみ式のパーソナルテーブル
折りたたみ式のパーソナルテーブル(筆者撮影)

ほかにも、前席の背もたれ裏にある折りたたみ式テーブル「パーソナルテーブル」にも新型を採用。後席乗員がドリンクホルダーとして使う穴部分を四角い形状に変更することで、容量500mlの紙パックに入ったジュースなども入れられる工夫が施されている。

新型スペーシア/スペーシアカスタムの価格

新型スペーシアのリアビュー
新型スペーシアのリアビュー(写真:スズキ)

新型モデルの価格(税込み)は、スタンダードのスペーシアが153万100円~182万4900円。スペーシアカスタムは180万1800円~219万3400円だ。ちなみに、スペーシアとつねに2位争いを展開し、直接的ライバルといえるタント。こちらの価格(税込み)は、スタンダードが135万3000円~177万1000円で、タントカスタムは174万9000円~199万1000円だ。

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とくに軽自動車の場合は、価格面も新車販売台数などを左右するといえる。こうしてライバルであるタントの価格帯と比較すると、新型スペーシア・シリーズは、やや高い印象もある。ただし、このクラスで新車販売台数が8年連続1位のN-BOXでは、2023年10月に発売した新型が、スタンダード164万8900円~188万1000円、カスタムは184万9100円~236万2800円で、価格帯的にはもっとも高い印象だ。N-BOXも新型は発売されたばかりなので、新車販売台数などはまだわからないが(2023年11月現在)、もし先代モデルの好調さを維持するとすれば、一概に価格帯だけで有利・不利が出るとも限らないといえる。

いずれにしろ、熾烈なシェア争いを繰り広げている軽スーパーハイトワゴン市場で、新型のスペーシアとスペーシアカスタムが、今後どのような戦いを繰り広げるのかが興味深い。先代モデルの熟成版ともいえる3代目が、果たして直接ライバルのタントを抑え、絶対王者のN-BOXを打倒できるのか? 今後の動向に注視したい。

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平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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