経済学者が考える良いモデルと悪いモデルの違い データを使って世の中の出来事を分析するには

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経済学者、社会科学者、自然科学者が以下のことを行うために使う一連のプロセスを科学的方法と言う。

1. 世の中の出来事を表すモデルを考え出す。
2. データを用いてそのモデルを検証する(モデルとデータが一致するかどうかを評価する)。

経済学者は、このプロセスで世の中を示す「真」のモデルを明らかにできると期待しているわけではない。世の中は非常に複雑だからだ。

経済学者が期待しているのは、世の中を理解するのに役立つモデルはどれかを見つけ出すことである。データを使って検証すれば、良いモデルと悪いモデルを区別できる。

モデルとは何か

良いモデルは、データとの整合性がより高い。モデルと実際のデータがあまりに食い違うときには、経済学者はモデルを修正したり、まったく別のモデルを用いたりする。

このプロセスを経ることで、過去の出来事を説明するのに役立つモデルや、ある程度の確からしさをもって将来を予測するのに役立つモデルを見つけることができる。

まず、モデルとは何か、データを使ってモデルをどうやって検証するのか、ということから説明しよう。

かつては誰もが、地球は平らだと信じていた。今では誰もが、地球はフリスビーではなくビーチボールのような丸い形だと知っている。

だが平面モデルはいまだに使われている。ガソリンスタンドで売っているのは、平面の道路地図だけだ。カーナビの地図も平面図で、車のダッシュボードに地球儀を入れている人はいない。

平面地図も地球儀も、どちらも地球の表面を表したモデルだ。モデルは、世の中の出来事を簡単化して描写したり、説明したりする。

シンプルで便利であることが大事

モデルは単純化されたものであり、現実を完全に再現したものではない。平面地図が地球の表面を正確に描いたモデルでないのは明らかだ。曲線の曲がり具合(曲率)が歪められている。

ただし、ニューヨークから東京に行くときは曲率は重要だが、ニューヨーク市内を観光するときには地球が球状かどうかを意識する必要はない。

科学者は(通勤者もそうだが)、当面の問題を分析するのに最も適したモデルを使用する。(地球は平らだという)間違った想定に基づくモデル(地図)であっても、将来の予測をしたり、計画を立てたりするのに役立つこともある。

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