経済学者が考える良いモデルと悪いモデルの違い データを使って世の中の出来事を分析するには

大学には、進学する価値はあるのか?
大学に進学するのは大きな投資だ。
学費はコミュニティ・カレッジ(地域の公立教育機関)で年間2500ドル、公立大学で年間5000ドル、私立大学なら約2万5000ドルかかる(1ドル150円で換算すると、それぞれ37万5000円、75万円、375万円)。
それだけではない。1時間の労働の価値を10ドル以上とすれば、大学教育の機会費用(大学に行かずに時給10ドルの仕事をした場合の費用)は合計で年間2万ドル以上になる。
大学教育を投資ととらえるならば、その見返りをどう考えればいいだろうか? 「教育の便益」とは何だろうか? それを測定する方法はあるのだろうか?
モデルとデータを使ってこの疑問に答えていこう。
経済学の第3の重要な原理は経験主義である。これは、データを使って世の中の出来事を分析するということだ(前回述べたように、第1の原理は最適化、第2の原理は均衡)。
経験主義は、すべての科学的分析において重要な概念である。