「渋谷ハロウィン中止」に見る日本の不寛容の本質 イベントで街占拠が当たり前の国も
ヨーロッパは日本より気温が低く、野外のイベントを行うのは夏の間の短い期間のみです。ですので、夏の間は毎週末、さまざまなイベントで街を通行止めにします。これは観光客や滞在者としては、なかなか面倒くさいものでした。
ただ、ここまで書いてきてひっくり返すようではありますが、ハロウィンに関しては、ドイツでは大騒ぎする人は少ないと思います。なぜなら、ドイツで主流派となっているキリスト教の流派、プロテスタントの教えでは、10月31日はルターが宗教改革したことを祝う日であって、しめやかに過ごすからです。
かといってドイツが仮装パーティをやらないかと言ったらそうでもなく、「カーニバル」「ファッシング」などと呼ばれる仮装パーティを別の日に行っています。彼らは仮装をして街を練り歩き交通を遮断します。
重要な異文化への理解
このように国によって考え方や習慣には大きな違いがあるのですが、世界のビジネスルールを作ってきた欧米の基本的マインドセットであるキリスト教とその価値観について少しだけ勉強しておくことは、この先の人生できっと損することはないと思っています。
そして、それをわかったうえで、やっぱりいつだって誰かが働いてくれてスーパーマーケットが開いている日本って住みやすいよね、と感じることもあるでしょう。一方で、休みを取るのは申し訳ないと思ってしまう日本の働きづらさを解決する糸口として、このような価値観の違いを知ることは重要ではないでしょうか。
最後になりますが、日曜に必ず仕事を休むドイツは2023年、日本の3分の2しかいない人口で日本のGDPを抜くとIMFは予測しています。日本がドイツから学ぶことはまだあるかもしれません。
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