「日本人の英語下手」に韓国人が超納得したワケ 韓国人も実は英語が苦手、原因は教育にあり?

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西岡:これは僕の体験談ですが、ある学校の授業で英単語の意味を答える小テストをやって生徒同士で丸付けをしてもらったんです。すると「suggest=示唆する」は○で、「suggest=指し示す」は×をつけたりする。「なんでそれ×なの?」と聞くと、「英単語帳に載っていたのは『示唆する』だったから」と答える。「じゃあ『示唆する』ってどういう意味?」と聞くと、「え、わからないです……」と答えるんですよ(笑)。

「その英単語がどういう意味か」というのは、決まった1つの正解があるわけではないものも多いです。「suggest」は「提案する」ですが、文脈や場合によっては「誰かに何かをお願いする」みたいな意味で使われることもある。だって「提案する」ってそういう意味じゃないですか。でも、この話を聞くと「じゃあsuggestには『お願いする』って意味もあるんですね!」なんて考えてしまう人が多いんですよね。

がっちゃん:どれも不正解というわけではないのに、ですね。

英語学習は、それ自体が目的ではない

西岡:スピーキングテストでは、もっと如実に「恥をかきたくない」「間違えたくない」という気持ちが表れます。レジ袋の有料化について英語で話すという出題があったのですが、これは賛成か反対かを表明するだけでも点がもらえる問題だと思うんです。イエスでもノーでも、その一言さえ口に出せば少なくとも何点かはもらえる。なのに、解答者のうち6割が0点でした。イエスやノーの後に続ける言葉を考えてしまい、それが浮かばないから最初の言葉も出てこない。

「これが正しい」という唯一の正解があると思い込んでしまって、それが見つからないと不安になってしまうんでしょうね。

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がっちゃん:うーん。やっぱり英語はコミュニケーションのためのツール、道具だと思うんですよ。なのに英語を学問として捉えていたり、受験科目としてしか見ていないと「正解か不正解か」という点がどうしても気になってしまうのかなと。これは、かつての私自身もそう。学校で英語を習っているときは学問の一つという見方をしていたし、だからこそ苦手意識を持っていたのだと思います。

西岡:受験という大きな目的があるから、コミュニケーションの道具というつもりで英語と向き合うのは、学生にとってはなかなか難しいことなのかもしれませんね。

がっちゃん:もちろん、学業でいい成績を残すことも大学に合格することも大事だと思いますよ。でも、そういうふうに英語と向き合っていると、いざ言語として使おうと思ったときに使えない、というケースに陥りやすい気がします。

英語を研究しているような専門家は別として、多くの人にとって英語を学習するのは何かの手段でしかなく、それ自体が目的ではないはずなんです。この人と話してみたい。この本を読んでみたい。この歌詞をもっと深く理解したい。そういう自分の欲求を満たすための道具として英語を習得したい。こういう向き合い方のほうが、高いモチベーションを維持しやすいし、上達も早いと思います。

がっちゃん 英語学習系YouTuber

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がっちゃん / Gacchan

YouTubeという場にて、英語を日本人に教えているごく普通の韓国人。英単語の画期的な習得方法の特許と英語の発音矯正に関する国際特許をそれぞれ取得し、自身で直接描いた6000個のイラストを用いて作った英単語アプリ「Gボカ」はリリース当時iOSストア有料カテゴリー1位を記録した。YouTubeのチャンネル登録者数は60万人を越えており、幅広く人気がある。最新著は『がっちゃん英語 キミに読ませたくて創った文法書』(KADOKAWA)。


 

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西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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