日本の「お金の教育」が子供に超悪影響な深いワケ 「投資される側になる」発想の欠如が国を傾ける

子供たちに「投資すること」を教える意味
「うちも投資したほうがいいのかな」
サトミの言葉に、夫はアジフライを箸に挟んだまま、ぽかんと口をあけている。いつもの彼女らしからぬ発言だったからだろう。
病院勤務のサトミは、これまで“投資”とは無縁の生活を送ってきた。NISAが来年から拡充されるという話も、自分には関係ないと思っていた。ところが、今日の昼休みに同僚たちが投資の話をしているのを聞いて、妙な焦りを感じた。
食卓の沈黙を破ったのは高校2年生になる娘の言葉だった。
「来月、誰か来るらしいよ」
彼女の人差し指が、食卓の隅に置かれた“学校便り”をさしている。
サトミがその紙を広げると、来月の講演会について書かれていた。投資にくわしい講師が全校生徒向けに投資の話をしてくれるそうだ。
学校で投資の講演を聞くというのは違和感を覚えたが、これからの時代、投資もわからないようでは生きていけないということなのだろう。
「しっかり聞いてきて、ママにも教えてよ」
サトミは本心から娘にお願いした。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら