上手に意見を言う人が意識している「ある要素」 プレゼンをする時に、どううまく伝えるか
言っていることの内容自体にはあまり差はありません。そうであるにもかかわらず、なぜか、Bのほうが「強い意見」「印象に残る文章」になっています。
それはなぜかと言えば、Aが肯定文であるのに対して、Bは否定文だからです。 実はこのように、否定文の意見のほうが相手に伝わりやすくなるのです。
会議などで、ずっと「いいですね!」と言っているだけの人って、「本当に会議に参加しているのかな? 適当に答えたんじゃないかな」と思ってしまいますよね。一方で、「これ違うんじゃないですか?」と否定している人って、きちんと自分の意見を言っているように感じますよね。
例えば、X(旧Twitter)とかでも、基本的にバズる投稿は否定文です。「日本っていい国ですね」よりも「日本ってここがダメだよね!」のほうが、「いいね」が付く傾向があると思います。
何かを否定する投稿に対しては、リポストやコメントにも、肯定的な意見だけが届くわけではなく、「そんなことはない!これは間違っている!」などと否定的な意見もあると思います。そして、そのほうが拡散されやすいですよね。
意見をするうえで、否定は外せない要素なのです。
なぜ否定の意見のほうが強く感じる?
さて、おそらくみなさんは、こんな疑問が頭に浮かんだのではないでしょうか?
「なんで否定の意見のほうが、強く感じるんだろうか?」と。
たしかにおかしいですよね。肯定の文と否定の文で、なぜ我々は否定のほうに目がいくのでしょうか?
この疑問に対しては、「実はそもそもの前提が間違っている」というのが答えです。
人は、否定の意見のほうを強く感じるのではありません。
そもそも意見とは、否定なのです。既存の何かに対して否定をするのが意見なので、意見の本質である「否定」が強調された文だと、自分の意見を言っていると、より強く感じるのです。
人間は、何かを否定するときにこそ、その人の意見が顔を出します。なぜなら、もし肯定したいだけなのであれば、その意見を言う必要がないからです。現状に対して何か「NO」を突き付けたいから、その意見を言っているのです。だからどんな文章とにも、否定のニュアンスが含まれています。
「みんなこう思っているけれど、そうじゃないんだ!」
「知られていないけれど、これって重要なんだ!」と、世間一般の常識に対して「NO」を突きつけるのが、意見の本質なのです。
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