悪質ホストが女性客を沼らせる"研修教材"の中身 風俗で働かないと払えないほど売掛が多額に

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東京・歌舞伎町(2022年12月中旬/富岡悠希撮影)

“マインドコントロール”のテクニックは(1)鎖をかける、(2)地雷をおく……。新人ホストが研修で叩きこまれる「ホスト心得」とも呼べる内容の一部だ。「ホスト業とは?」から始まる文章で、女性客を虜にするという「アイドル営業」の解説まで記されている。若い女性が多額の売掛で苦しむ“悪質ホスト問題”の認知が広まる中、その手口にも注目が集まる。(ジャーナリスト・富岡悠希)

「○○さんセミナー」というメモ

この文章が書かれたノートを入手したのは、ホスト被害を受けた女性の保護者を支援する「青少年を守る父母の連絡協議会」(略称:青母連/せいぼれん)の玄秀盛さん(67)だ。

当記事は弁護士ドットコムニュース(運営:弁護士ドットコム)の提供記事です

今年4月、玄さんはノートを入手し、それから半年間、記載された内容と相談に来た親などから聞き取った情報を比較、分析してきた。その結果、一般人をホストに仕立てる「研修教材」と判断し、今回初めて外部に公開した。

文量はノート4ページ分で、赤ペンを使っている箇所もある。「○○さんセミナー」というメモがあることから、どこかのホストクラブ幹部が語った内容を書き取ったものと推測できる。

文章は「ホスト業とは?」という問いから始まる。

「Q ホストはどんな存在であるべきか」
「A お金を払ってでも関係を作りたいと思える存在
女性は彼氏や旦那程度の男にはお金を出さない
要するに、そこら辺の男が演出する日常レベルでは女性はお金を出さない
非日常的演出にお金を出す」

ホストクラブでは、女性客を「姫」と呼ぶ。その「姫がお金を使う理由」は、「好きなんを押し上げる為に姫はお金を使う」「担当の価値を上げることで、自分自身の満たされない心の空洞を埋めることができる」と分析している。

女性客が抱える「心の空洞を埋める」ことは重要なミッションとされているようだ。2ページ目にも、再度同じ記載が出てくる。

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