悪質ホストが女性客を沼らせる"研修教材"の中身 風俗で働かないと払えないほど売掛が多額に

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ノートの一部(写真:弁護士ドットコム)

続いて記されているのは「アイドル営業」について。「アイドル営業とは友営 色恋 本営の延長上」とされている。

玄さんによると、「友営」とは、恋愛感情を利用せずに友だちのように接する営業を指す。「色恋」は女性客に疑似恋愛を提供する営業方法で、「本営」になると、色恋営業をさらに発展させ、女性客を本当の彼女として扱うという。

最上位の営業スタイルとして、セミナーでは「アイドル営業」を掲げ、さらに「三要素」に分解してみせる。

「店外などでさほど時間を使わずに来てもらう 使わず」
「お店に来てほしいなど言わなくても来てもらえる 呼ばず」
「煽らなくてもシャンパンが入る 煽らない」

たしかにここまで来ると、ホストは楽々と売上を立てられそうだ。

「日常から地雷を常に言葉で発する」

2ページ目になると、「マインドコントロール」の具体的なやり方が書かれている。

テクニック(1)は「鎖をかける」。「他店に行けなくする」良い例の言葉として挙げるのは、次の2つだ。「Aちゃんって、俺だけをまっすぐ見てくれるからうれしい」「他店にいかないから俺も大切にできる」。反対に「他店行くな」はバツとする。

テクニック(2)としては「地雷をおく」。次のような言葉が、その地雷になるとしている。

「好きな担当がいるのに他店に行く女の子、なんなんだろうね」

「他店行く女の子って最低やよね。それは担当も好きじゃなくなるよね」

「日常から地雷を常に言葉で発する」と、「地雷をさけるため勝手に理想の女の子になる」としている。

アイドル営業・マインドコントロール・地雷をおく⋯⋯。こうした言葉が並ぶ「ホスト心得」については、玄さんは「何人もの女性を虜にしてきたホストだからこそポイントを突いている。見事な作り込みだ」と話す。

その分、18歳や19歳のような若年女性が狙われたり、風俗で働かないと払えないほど売掛が多額になったりする"悪質ホスト問題"への警鐘を鳴らす。

「この研修以降、新人ホストはお酒を飲ませるときの煽り方やお金の落とさせ方について学んでいきます。そして、大きな口を開けて、警戒していない女性を待つ。パクっとくわえたら放さず、売掛はあっと言う間に数百万円に達します」

こうした被害を防ぐため、ホストに対する「売掛禁止条例」の制定機運を盛り上げようと、青母連は9月20日から署名活動を始めた。

一定数が集まったら吉住健一・新宿区長に宛てて提出する予定だ。専用ページを立ち上げ、ネットでも署名を募っているほか、活動資金を支えるための寄付も受け付けている。

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