ZOZO物流施設に巨額投資、取扱高8000億の野望 ロボットで作業を自動化「2024年問題」にも対応
また、つくば3はZOZOの取扱高拡大を見据えて作られた物流拠点でもある。とくにコロナ禍で実店舗が営業休止を強いられた状況下、ZOZOのECは強みを発揮した。それ以降も商品取扱高が増え続けている。
直近の商品取扱高実績は5443億円(2023年3月期)。4月の決算説明会で澤田宏太郎社長は「商品取扱高8000億円」が次のターゲットと明らかにしていた。達成に向けて、ZOZOのアクティブ会員数を現状の約1100万人から1500万人まで増やしていく。
加えてアクティブ会員1人当たりの購買頻度を、20%から25%へ引き上げる。これはアパレルで買い物をする際、4回に1回(25%)がZOZOで購入する頻度に相当する。
足元は長引く残暑や、実店舗への人流回復が影響してZOZOは若干の苦戦を強いられている。10月31日に発表された2024年3月期の第2四半期累計(4~9月)は、商品取扱高2587億円(前年同期比3%増)、営業利益289億円(同6.3%増)だった。コロナ禍で2割超と破竹の勢いで成長してきた取扱高の勢いは鈍化傾向にある。
暖冬をどう乗り切るのか
副社長兼CFO(最高財務責任者)の栁澤孝旨氏は「気候の影響で、秋冬物の立ち上がり時期の売り上げが低調だった。コスト低減により営業利益は想定を上回ったが、商品取扱高は計画を下回っている」とコメントした。
逆風はさらに続く。気象庁の3か月予報によれば、11月から2024年1月の平均気温は(東北や北海道を含む)北日本以外のすべての地方で「平年より高い見込み」、いわゆる暖冬が予測されている。
アパレル企業の稼ぎ頭は、商品単価が高く利益を得やすいアウターなどの冬物衣料。つまり寒い冬になるほどアパレル企業の懐は暖まり、反対に暖冬の到来はアパレル企業の頭を悩ませることになる。暖冬予測について澤田社長は「ECの最大の武器は機動力。気温に連動したプロモーションを打っていくのが、ECならではの暖冬対策になると考えている」と語った。
例年は寒さが本格化する12月に向けて注文数が増え、ZOZOは繁忙期を迎える。商品や注文が増えるほど、つくば3の自動化装置も本領を発揮することになろう。100億円を投じた新物流拠点は、ZOZOの事業拡大と物流の2024年問題、両方に対して重要な役割を担っている。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら