ZOZO物流施設に巨額投資、取扱高8000億の野望 ロボットで作業を自動化「2024年問題」にも対応

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小ロット・多品種の商品入荷から注文客への出荷まで、省人化ラインで次々と進んでいく(記者撮影)

アパレルEC(ネット通販)国内最大手の「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を運営するZOZO。その裏側を支える物流の最新施設「ZOZOBASEつくば3」が、11月1日に本格的に稼働を開始した。

同施設は物流大手のプロロジスがZOZO向けに開発している物流拠点・ZOZOBASEの5拠点目で、投資額は100億円。8月から商品保管・出荷を開始し、このほど入荷を含む全ての機能が稼働。延床面積は約13万7000㎡で、ZOZOの物流拠点の中では最大規模となる。

つくば3が担っているのは、ゾゾタウンの取扱高増加を見据えた物流拠点の拡張だけではない。将来的に起こる労働力不足への対応として、より少ない人員で稼働できるような作業の効率化が物流面では重要課題だった。そこで「自動化」をキーワードに、つくば3の開発が進められた。

国内初導入のマテハン機器を搭載

物流作業の自動化を進めるうえでネックとなっていたのが、ゾゾタウンで取り扱う商品が「小ロット・多品種」であるという点。ゾゾタウンに出店しているブランド数は増加傾向にあり、直近では1581店まで増えている(2023年9月末時点)。衣料品をはじめ、雑貨や化粧品など商品カテゴリーが多岐にわたるため、商品の入荷や出荷作業は煩雑を極める。

「t-Sort」では、黄色いロボットが縦横無尽に動きながら、ブランドからの入荷商品を仕分けしていく(記者撮影)

ブランドから入荷された商品は検品を経て、格納先別に仕分けされる。従来は目視で行っていた作業を自動化するのが、仕分けロボット「t-Sort」だ。

荷台に商品を載せると、ロボットが縦横無尽に走って仕分けを行う。約500基あるロボットの処理能力は1時間当たり3万2000点。手作業に比べて時間短縮になるうえ判断ミスも減り、作業が標準化されるメリットもある。

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