ZOZO物流施設に巨額投資、取扱高8000億の野望 ロボットで作業を自動化「2024年問題」にも対応

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購入客から注文が入ると、作業員が商品をピッキングしてコンテナに入れて「シャトル&サーバ」という装置に運ばれる。この装置は商品が入ったコンテナの一時保管と、コンテナを発送する優先順位によって並べ替える「順立て」を行い、次の仕分け作業へ送り出す役割を担っている。シャトル&サーバは3基で構成され、約5000コンテナ、商品点数にして約8万5000点の保管能力を有する。

購入客から注文が入ると作業員が商品をピッキングし「シャトル&サーバ」に入れて運ばれていく(記者撮影)
手作業だった仕分け工程が「ポケットソーター」により自動化された。梱包エリアまで宙づりで商品が運ばれていく(記者撮影)

つくば3で最も自動化が進んだ部分が、最後の仕分け工程だ。ゾゾタウンでは複数の商品を合わせて購入される場合が多く、1注文当たりの購入点数は平均2.2点(2024年3月期第二四半期)。

従来、注文単位ごとに仕分ける工程は手作業で行われていたが、つくば3に導入した「Pocket Sorter(ポケットソーター)」という装置でこの作業の自動化に成功した。ZOZOによれば、ポケットソーターはつくば3が国内で初めての導入事例という。

ポケットソーターはその名の通り、ポケット部分に商品を1つずつ格納して梱包エリアまで運ぶ装置だ。倉庫の天井に張り巡らされたレールに沿って商品が運ばれ、その間にポケットが自動で並び替わることで、複数の商品が注文単位ごとにまとめられていく。

「商品取扱高8000億円」への道筋

つくば3に導入されたポケットソーターは、1時間当たり1万5000点の仕分けができる。つくば3の中で最も多額の投資がかけられている肝煎りの装置だ。こうした自動化により、つくば3では従来拠点の約7割の人員で稼働することが可能になった。

加えて「物流2024年問題」への対応として、商品受け取り方法の初期設定を「置き配」へ変更した点、複数の注文商品をできる限りまとめて配送する「注文のおまとめ」機能を運用していることなどを提示した。

ZOZO執行役員でフルフィルメント本部などを管掌する田代将広氏は、「消費者と直接の接点を持っているプレーヤーとして、商品の新しい運び方を理解してもらえるよう働きかけていく」と話す。

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