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末期がんで余命半年、名物映画Pの豪胆な死に支度 叶井俊太郎が「異色の対談集」を出したワケ

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例えば映画『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』(1997年)のように海を見に行くとか、『最高の人生の見つけ方』(2007年)のようにスカイダイビングをするとか、彼には「バケットリスト(死ぬまでにやりたい100のこと)」みたいなものはなかったのだろうか?

「俺には『死ぬまでにやりたい100のこと』なんてものはない!」

そんな筆者の問いに、叶井氏はこう答える。

「よく、人から『もう仕事を辞めて好きなことをやりなよ』と言われるんだけど、やりたいことなんてないんだよね。だって『好きなこと=仕事』だからさ。仕事をしているときが一番楽しいから、旅行をしたり、みんなで食事をしたとしても、やっぱり仕事のことが気になってしまう。

だから、俺には『死ぬまでにやりたい100のこと』なんてものはない! 映画のことを考えているときが一番楽しいんだ。しょうもない企画を思いついて『これ実現できないかな?』と考えていることが面白い。

それに比べると『海を見たい』なんて行為は取るに足らんよ。もちろん、そうしたい人たちの考えを否定するつもりもないけどね」

「好きなこと=仕事」。最期まで、仕事に生きるという(撮影:今井康一)

仕事に生きて、仕事で死ぬ……。そんな価値観に対して、共感を持てない者もいるかもしれない。

ただ、そんな彼の思いを妻、娘、そして母は応援してくれた。『エンドロール!』のあとがきは倉田氏が担当しているのだが、そこでは夫が余命宣告を受けたときの悲しみや、現在に至るまでの彼のブレない生き方について書き下ろされている。

『エンドロール! 末期がんになった叶井俊太郎と、文化人15人の“余命半年”論』(サイゾー)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

波乱万丈の人生を送っていたところ、突如として発覚した膵臓がん。そして、余命宣告。あまりにも急な展開となってしまったが、彼自身はこの世に未練はほとんどないという。

「余命宣告を受けてから『残りの半年、どう生きようかな?』と考えたけど、半年で死ぬという前提で生きているから、もはや『早く死んでもいいかな』とすら思ってしまって、全然悲しくならないんだ。

死に対する恐怖はないというか『痛くなければOK』という気持ちなんだよね。今はどこも痛くはないけど、痛くなってきたら、もうおしまい。

唯一、この世に未練があるとしたら『来年の新作映画が観られないこと』と、『マンガの続きが読めないこと』だね」

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