日本のかつお・まぐろ漁、なぜ衰退が続くのか

南洋での入漁料高騰が大打撃に

実際に高齢化問題は深刻で、水産庁のデータでは漁業就業者は約18万人で、過去10年間で3割減少した。遠洋まぐろはえ縄漁では60歳以上の就業者が42%を占めており、50代をも含めると、全体の83.3%にも上る。

政府は漁業の存続のため、毎年度2000人の新規就業者を確保すべく、「新規漁業就業者総合対策支援事業」として本年度予算に6億1400万円を計上した。また「沿岸漁業リーダー・女性育成支援事業」に3300万円、「安全な漁業労働環境保全確保事業」に1900万円を充てている。

しかし根本的な問題を解決せずして、漁業の問題は解消されない。日本の漁業にとって乗り越えなくてはいけないのは、コストの増大と年々厳しくなる国際環境だ。

高騰する入漁料

コストに関しては昨今の急激な円安による燃料費の高騰もあるが、より深刻に関係者を悩ませているのは高騰する入漁料など国際環境の変化に基づくものだろう。

2014年6月にナウル協定加盟国(PNA:パプアニューギニア、ソロモン諸島、パラオ、ミクロネシア、キリバス、ナウル、ツバル、マーシャル諸島で構成)が2015年1月から1日あたりの入漁料(VDS)を8000ドルに引き上げたことは、日本の遠洋漁業に大きな衝撃を与えた。PNAのEEZ(排他的経済水域)は日本にとって海外まき網漁獲量の9割を占めているからだ。

そもそもPNAがVDSを導入した2005年以前では、南洋海域での入漁料は漁船1隻あたり年間約2000万円で、操業日数に制限はなかったのだ。さらに2012年に最低価格制度が導入されてから、入漁料はいっそう高騰。水産庁は日本が払うべきこうした入漁料は2015年には55億5600万円に達すると見込んでおり、漁船1隻あたり必要とされる入漁経費は年間1億7000万円を超えると予想されている。

「VDSが導入されて、外国は1日あたりの漁獲量が増えるように漁船を大型化した。一方で日本は国内の利害調整ができなくて、水産庁が漁船の大型化を許さなかった」

日本漁船の建造が法律で制限を受けていた間に外国に引き離されたと述べるのは、かつお・まぐろ議連で事務局長を務める自民党の井林辰憲衆院議員だ。井林氏の地元は焼津港を擁する静岡2区。焼津港は全国トップクラスの水揚げ量や水揚げ金額を誇り、かつお漁やまぐろ漁の大拠点地でもある。

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