留学に匹敵!大人版「はじめてのおつかい」の効果 アウェイな環境で挑戦した経験は一生モノ

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留学では親元を離れ、1人でアウェイな環境に身を置くことになります。学校の先生やホストファミリーなどサポートしてくれる人が周りにいたとしても、自分で「何とかしなければならない状況」が出てきます。これこそが留学の価値だと言えます。年月が経っても、経験は消えるものではないからです。

VUCAな世界(VUCA World)と言われる今、まさに求められる力とも重なってきます。VUCA Worldとは「変化が激しく、何が起こるか予測しづらく、さまざまな事象が複雑に絡まって、何が正解なのかわかりにくい世界」のこと。「これをすればいい」という正解がないから、何とか自分で試行錯誤をするしかないのです。

どうやって経験するか

留学で鍛えられる力と言われても、大人が長期留学をするのは簡単なことではありません。マインドセット教育に長く携わっている経験から言えば、留学をしなくても同様の環境に身を置けばいいとなります。

普段の仕事でも何とかしなければならない状況は多くあるでしょうが、それは16歳の子が親元を離れて、海外というアウェイな環境に放り出されるようなヒリヒリする体験とは違います。やはりアウェイな環境の中で何とかする経験が必要なのです。

人材育成では「コンフォートゾーンを抜け出す」や「コンフォートゾーンを飛び出したところにラーニングゾーン(もしくはストレッチゾーン)がある」と言いますが、自分にとって快適な状況から少しだけ抜け出すことが重要です。初めてのことや、失敗する可能性のあることに挑戦してみるのです。

例えば私が起業したばかりの頃、自分が動かなければ何も仕事がありませんでした。当たり前のことですが、恥も外聞も捨てて、がむしゃらに走り回りました。「チャレンジは失敗が前提」と思うようになり、今でも躊躇なく動けます。

いくらコンフォートゾーンを飛び出せと言っても、大きなジャンプは必要ありません。大切なのは「少しのストレッチ」です。

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