【モビリティショー】次世代vsネオクラ2輪総括 電動化や水素エンジン、ガソリン車などが混在

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ヤマハ発動機の水素エンジンを搭載した研究用スクーター(筆者撮影)
ヤマハ発動機の水素エンジンを搭載した研究用スクーター(筆者撮影)

そうした背景のなか、今回のショーでは、ヤマハが125ccスクーター、スズキが中型スクーター「バーグマン400 ABS」をベースとした水素エンジンの研究用モデルも展示。さらに、カワサキも開発中のモーターサイクル用水素エンジン(モックアップ)を披露するなどで、電動バイク以外の次世代モデルに関する可能性もアピールしていた。

電動アシスト自転車&小型モビリティ

今回のショーでは、電動の小型モビリティも数多く展示されたが、とくにスズキでは、2023年7月から導入された「特定小型原付(特定小型原動機付自転車)」に対応する2つのコンセプトモデルを出展したことが注目だった。特定小型原付とは、一定の要件を満たした小型車両に関し、16歳以上であれば運転免許なしで乗ることができる新しい車両区分のこと。都市部などを手軽に移動できる新しい乗り物として期待されており、主に、電動キックボードに対応モデルが多い。

スズキの「SUZU-RIDE」(筆者撮影)
スズキの「SUZU-RIDE」「SUZU-CARGO」(筆者撮影)

ところが、スズキでは、4輪タイプの特定原付モデルを披露。電動キックボードのような手軽さが魅力の「SUZU-RIDE(スズライド)」と、それに荷台を装備することで荷物の運搬などにも便利な「SUZU-CARGO(スズカーゴ)」を展示した。いずれも、転倒する危険性もある電動キックボードと比べ、より安定性が高いことで、高い安全性を持つ仕様であることが大きな特徴だ。

スズキの「MOQBA」(筆者撮影)
スズキの「MOQBA」(筆者撮影)

ほかにも、スズキでは、4つの車輪が段差などでは脚となることで、足が不自由な人などのスムーズな移動を可能とする「MOQBA(モクバ)」という電動小型モビリティも展示。まるで4本足で歩くロボットのような外観で、それに乗って移動するという新感覚の乗り物に、多くの注目が集まっていた。

小型モビリティとしては、電動アシスト自転車の新型コンセプトモデルも興味深かった。例えば、スポーツ電動アシスト自転車のブランド「YPJ」を展開しているヤマハ。今回のショーでは、MTBモデルの「Y-00Z MTB(ワイ ゼロゼロズィー エムティービー)」と、2輪駆動の「Y-01W AWD(ワイ ゼロワンダブリュー エーダブリューディー)」を展示した。

次ページガソリンから電気、水素と2輪の過渡期が垣間見えた
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