【モビリティショー】次世代vsネオクラ2輪総括 電動化や水素エンジン、ガソリン車などが混在

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ヤマハの「XSR900GP」(写真:三木宏章)
ヤマハの「XSR900GP」(写真:三木宏章)

例えば、ヤマハ発動機(以下、ヤマハ)が、予告なしのサプライズ発表を行った「XSR900GP」。888cc・水冷3気筒エンジンを搭載するスポーツバイク「XSR900」をベースに、1980年代のレーシングマシン「YZR500」をオマージュしたスタイルを持つ新型車だ。

YZR500とは、世界最高峰の2輪車ロードレース「WGP(現在のMotoGP)」の最上位500ccクラスで、数々のタイトルを獲得した2ストロークマシンのことだ。当時は、レースブームだったこともあり、バイクが好きな若者にとって憧れの1台だった。また、アメリカ人のケニー・ロバーツ選手など、このマシンでチャンピンに輝いたヤマハのワークスライダーたちは、今でも伝説として世界中のバイク愛好家に語り継がれている。

ヤマハの「YZR500」(写真:三木宏章)
ヤマハの「YZR500」(写真:三木宏章)

そんなYZR500を彷彿とさせるのがXSR900GP。もともとカウルレスのXSR900に、かつてのヤマハ製レーシングマシンをイメージしたカウリングを装備。また、ベース車両がバーハンドルなのに対し、セパレートタイプのハンドルを採用するなどで、よりスポーティなライディングポジションとなるようにモディファイしている。なお、このモデルは、欧州などのほか、日本でも2024年夏以降に発売する予定だ。

カワサキのネオクラシック軽二輪

カワサキモータースの「MEGURO S1」(筆者撮影)
カワサキモータースの「MEGURO S1」(筆者撮影)

一方、カワサキモータース(以下、カワサキ)では、ビンテージバイク風の新型モデル「MEGURO S1(メグロS1)」と「W230」を発表した。2モデルは、いずれも230cc・空冷単気筒エンジンを搭載する兄弟車だ。MEGURO S1は、1964年にカワサキが発売した「250メグロSG」をオマージュしたモデル。

カワサキモータースの「W230」(筆者撮影)
カワサキモータースの「W230」(筆者撮影)

対するW230は、1966年に発売し世界的な大ヒットを記録した「650-W1」、通称「W1(ダブワン)」の車名を冠したモデルだ。従来、カワサキは、773cc・空冷2気筒エンジンを搭載する「メグロK3」と「W800」という大排気量の兄弟モデルを販売しており、新型2機種はそれらのシリーズに属する軽二輪タイプとなる。大排気量モデルが、主にベテランライダーをターゲットとしているのに対し、近年増加傾向にある普通二輪免許を取得する若い世代を主なユーザー層に捉えているようだ。

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