ハイテク業界が「女の園」となる日はくるか 米大学が女性エンジニア育成に躍起
カーンの場合、コンピュータ科学を学び続ける気持ちになったのには、いくつかの要因があった。彼女によると、小さいが重要だった出来事は、最初の入門クラスを取ったあと、教授が彼女にメールを送り、次のクラスを取るようすすめてくれたことだという。
また、コンピュータ業界の女性についてのセミナーでは、この分野に関する不安感についてほかの人と話すことができたという。さらに、大学1年生の時には友人たちと「ハッカソン(一定の期間でプログラムの開発などを集中的に行い、その内容を競い合う催し)」に参加した。カーンは最初、参加するほどの力はないのではと心配したが、第2位を獲得した。
「以前は、コンピュータ科学は1日中ひとりで勉強をするような、孤独な分野ではないかと思っていた。でも、実際にはほかの人たちと一緒に作業をするし、いろいろな考え方を知ることができる」とカーンは話す。
メンター制度や研究室の設立でサポート
ワシントン大学と同様の試みが、他大学でも行われている。インディアナ大学では、女子学生の増加に向けての施策を、データを用いて評価している。ミシガン州立大学は、コンピュータ科学の課題に学生たちが共同で取り組めるよう、研究室を作った。
NCWITの共同設立者で、最高責任者であるルーシー・サンダースは言う。「コンピュータ教育には『自分で何とかしなさい』という雰囲気が満ちていると思うが、そうではない取り組みが行われている」。
ハービーマッド大学は、大学のパンフレットに女性の写真を入れたり、キャンパスツアーのガイド役に女子学生を雇ったりするなどして、コンピュータ科学を学ぶ女性の割合を増やした。また、カーネギーメロン大学は、同分野を学ぶ女子学生のために、公式にメンタープログラムを立ち上げた。なぜなら、女子学生は男子学生の仲間うちのネットワークに入れないことが多いからだ。
このように、女性を集めるためにカリキュラムを変えたり、女性に特化した授業を行うことに対して批判的な人々もいる。彼らは、女子学生の増加や維持に集中すれば人数は増えるかもしれないが、それが逆効果となる場合もあるという。というのも、学生たちは「女性コンピュータ科学者」ではなく「コンピュータ科学者」として見られたいとと考える場合が多いからだ。
しかし、NCWITのサンダースは、米国のコンピュータ科学のカリキュラムは、単に女性向けの部分だけでなく、全面的な見直しが必要だという。
「現在のコンピュータ科学のカリキュラムはそれほど効果的なものとは思えない。もっと現実の世界に合わせて意味のあるものにし、なぜ勉強しているのか、学生が理解できるようにする必要がある」
(執筆:Claire Cain Miller記者、翻訳:東方雅美)
© 2015 New York Times News Service
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