M-1は、漫才を見せるというより、人間ドラマを見せる番組として、大衆受けするものになったのではないでしょうか。
視聴者は、漫才好きだけではないと思うんです。武器も道具も使わない人が、舞台の上で全力を尽くして勝負するという面白さがあるんですよね。
敗者復活戦も、落ちぶれていく姿と、落ちぶれた人が上がる姿、その上がる道も簡単なものじゃないという厳しさの対比を見せています。
賞金は1000万円、優勝者以外は何も手に入らないというシビアさも含めて、ローマの剣闘士を見ているような感覚かもしれません。
視聴者はM-1で頑張った人を好きになる
M-1出場者は、人気が出て仕事が増えますが、それは漫才よりバラエティーが多いんですよね。「あの舞台で頑張って決勝戦まで勝ち進んだ。だから、この人が好き」となるので、その人をバラエティーで見たいわけです。
格闘技の試合なんかは、勝ち負けが決まると確執が生まれがちですが、M-1においては、そういう感じがしないのもいいところです。
負けた側は、悔しがるけど、「この人、明日からいっぱい仕事が来るんだろうな」と思えます。本当につらい思いが伝播しないのが、見やすくしていると思います。
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