三浦按針――。アダムス、こと三浦按針はその後、江戸商人の娘、お雪と結婚を果たす。そのまま故郷に帰ることなく、平戸で生涯を閉じることになる。
対外的な動きをいち早く行っていた家康
家康はアダムスとともに対面したヤン・ヨーステンも海外顧問として重用。江戸城そばの和田倉門外に住居を与えている。
「織田がつき 羽柴がこねし天下餅 座りしままに 食ふは徳川」
のちに流行するそんな狂歌を家康が耳にしたら、苦笑することだろう。家康にとって、天下を取ることは目的ではなく通過点に過ぎなかった。座りしまま……どころか、これからの国づくりのために、対外的な動きをいち早く行っていたのである。
【参考文献】
大久保彦左衛門、小林賢章訳『現代語訳 三河物語』(ちくま学芸文庫)
大石学、小宮山敏和、野口朋隆、佐藤宏之編『家康公伝〈1〉~〈5〉現代語訳徳川実紀』(吉川弘文館)
宇野鎭夫訳『松平氏由緒書 : 松平太郎左衛門家口伝』(松平親氏公顕彰会)
平野明夫『三河 松平一族』(新人物往来社)
所理喜夫『徳川将軍権力の構造』(吉川弘文館)
本多隆成『定本 徳川家康』(吉川弘文館)
笠谷和比古『徳川家康 われ一人腹を切て、万民を助くべし』 (ミネルヴァ書房)
平山優『新説 家康と三方原合戦』 (NHK出版新書)
河合敦『徳川家康と9つの危機』 (PHP新書)
二木謙一『徳川家康』(ちくま新書)
日本史史料研究会監修、平野明夫編『家康研究の最前線』(歴史新書y)
菊地浩之『徳川家臣団の謎』(角川選書)
鈴木かほる『徳川家康のスペイン外交 』(新人物往来社)
フレデリック・クレインス 『ウィリアム・アダムス ――家康に愛された男・三浦按針』 (ちくま新書)
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