売れる「営業マン」の"共通ナルホド思考"はこの3つ 商品を売ろうとすればするほど売れなくなる訳

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効果的なトークとして「デメリットを先に話し、次にそれに関係のあるメリットを話す」というやり方が最善です。多くの苦戦する営業がメリットばかりを説明する中、デメリットを包み隠さず伝えてくれる営業スタッフにお客様は好感を持ちます。

また、デメリットを伝えた後にメリットを伝えるため「メリットが引き立つ」といった効果もあります。

デメリットを補うようなメリットとセットで伝えることで、営業スタッフ自身のみならず、商品に対する信頼関係の構築に大きな影響を与えるでしょう。

③ごまかさず、事実を伝える

営業の稼働時間は限られています。ですから、無駄なく高確率で契約を取れる営業スタッフが結果を出すことができます。そのために大事なことは、

・事実をあやふやにしないこと
・お客様が資料をみて迷わないこと
・トークを聞いて不安にならないこと

以上を聞いて、お客様自身が納得したうえで、商品を買うことが重要です。

そのためには、事実を伝え、悩みを減らすような努力が必要なのです。
相手のことを考えれば“必要条件”をハッキリと明確に伝えたほうがお互いのためです。

・内容、条件(謝礼が出るのか、それとも支払うのか)
・日程(具体的候補を3~5日程度)
・場所、時間(どこでどのくらいの時間なのか)
・得られるメリット

などなど。今わかっている範囲で隠さず伝えましょう。

お互い時間をかけたうえで“結局バレて白紙になる”というのが一番無駄です。

お客様が迷う点が減れば減るほど、結果が出る

結果を出している営業スタッフはお客様のオファーについて「お客様がこれを見て迷わないか?」という観点でチェックしています。そして、それを1つひとつ潰していくのです。

あなたもお客様にアプローチしている内容をチェックしてみてください。

・無料か有料かはっきり伝えているか?
・請求方法をわかりやすく提示しているか?(電話、メール、SNS、FAX などなど)
・時間(電話なら〇時~〇時まで)
・送付方法(郵送なのか、データで送られるのか)
・請求した後はどうなるか?

など。まずは自分で判断し、そのうえで身近な人に見てもらい率直な意見を聞くといいでしょう。

営業本のベストセラー100冊を分析して、売れる営業のルールまとめました。
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お客様が迷う点が減れば減るほど、結果が出てきます。基本的なことですが、これができていない営業がたくさんいるのです。

以上シンプルではありますが、『営業本のベストセラー100冊を分析して、売れる営業のルールまとめました。』より厳選してご紹介させていただきました。

話し手として明確でわかりやすい表現力を身につけて、相手が納得し、興味を持って聞いてくれるようにトークを学ぶことも必要です。

また聞き手としてのスキルを向上させることで、相手の本当のニーズを理解し、適切なアプローチを見つけていくこともできます。

今回紹介した3つのルールを守り、お客様との信頼関係を築き、商品やサービスを魅力的に伝える力を身につけていきましょう。

菊原 智明 営業コンサルタント

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きくはら ともあき / Tomoaki Kikuhara

営業サポート・コンサルティング代表取締役。関東学園大学経済学部講師。社団法人営業人材教育協会理事。

工学部機械科卒業後、トヨタホームに入社し、営業の世界へ。自分に合う営業方法が見つからず7年間、ダメ営業時代を過ごした後、手紙で情報を提供する営業に切り替えたことをきっかけに4年連続トップ営業に。2006年独立し、現在は上場企業への研修、コンサルティング業務、経営者や営業職向けセミナーを行っている。著書に『訪問しなくても売れる!「営業レター」の教科書』『営業1年目の教科書』など。

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