スカイプ買収で"通信のリーダー"も狙う MSのスティーブ・バルマーCEOに聞く

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──アイパッドのようなタブレット端末は、ビル・ゲイツ会長の肝いりでマイクロソフトが長らく研究してきたテーマです。にもかかわらず、この分野で出遅れているのはなぜですか。

ハードウエアとソフトウエアを有利に連携させることをアップルに許してしまった。これは事実だ。

もともとマイクロソフトは正しいコンセプトは持ち合わせていたのだが、ハードウエアとソフトウエアの連携作業を成し遂げることができていなかった。マイクロソフトも、ハードウエアデザインを行うパートナーも、この分野では一層の努力をしている。そして、その成果は次世代ウィンドウズに織り込む計画だ。その内容については、これから徐々に明らかにしていく。

タブレットは規模のまだ小さい市場だ。アップルは今年1年でアイパッドを3000万台販売する見通しだが、それに対して今年のパソコンの販売は3億5000万台に及ぶ。われわれには強みが残されている。

トヨタは重要なパートナー

──現在、アップルの時価総額はすでに3100億ドルになっており、マイクロソフトを1000億ドルも上回っている。正直に言って逆転できると思っていますか。

われわれは毎日仕事をしている。興奮するような製品を生み出そうとしている。そして売り上げも収益も伸ばそうと努力している。だから、株価については結果を見守っていきたいと思う。

アップルについては、高く評価されて当然だと思う。というのは、あの会社は14年前には実質上破産状態にあった。そこから見事に復活を成し遂げたのだから、すばらしいことだ。それに対し、われわれは別に破産状態にあるわけではない。今年の税引前利益は270億ドルだ。そしてすばらしい製品も用意しており、さまざまな資産も持ち合わせている。現在の競争環境を心から歓迎したい。

──ところで、クラウドコンピューティング分野でトヨタ自動車と提携しました。豊田章男社長とは頻繁に会っていますね。

以前にもお会いしているが、今回の提携に関連して3度お会いした。1度目が提携の合意、2度目が提携の発表、そして3度目の今回は進捗状況をモニターするためだ。トヨタとの提携は、クラウドコンピューティング分野における重要なパートナーシップと位置づけている。

(撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済2011年5月28日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

 

山田 俊浩 東洋経済 記者

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やまだ としひろ / Toshihiro Yamada

早稲田大学政治経済学部政治学科卒。東洋経済新報社に入り1995年から記者。竹中プログラムに揺れる金融業界を担当したこともあるが、ほとんどの期間を『週刊東洋経済』の編集者、IT・ネットまわりの現場記者として過ごしてきた。2013年10月からニュース編集長。2014年7月から2018年11月まで東洋経済オンライン編集長。2019年1月から2020年9月まで週刊東洋経済編集長。2020年10月から会社四季報センター長。2000年に唯一の著書『孫正義の将来』(東洋経済新報社)を書いたことがある。早く次の作品を書きたい、と構想を練るもののまだ書けないまま。趣味はオーボエ(都民交響楽団所属)。

 

 

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