スカイプ買収で"通信のリーダー"も狙う MSのスティーブ・バルマーCEOに聞く
ユーザーベースを連携させていく
──スカイプを買収しましたが、この買収の意図は?
最も重要なことは、今後、マイクロソフトがどのように人々の生活にイノベーション(革新)をもたらしていくか、というシナリオだ。現在、通信分野においてさまざまな革新が起きているが、その先行きを考えた場合、スカイプが果たす役割は非常に大きい。スカイプは通信分野ではすでに世界トップのブランドでもあり、非常に大きなユーザーベースを持っている(利用者は約6億6300万人)。
今後、スカイプのユーザーベースと、「オフィス」のユーザーベースを連携させていく計画だ。さらに、(家庭用ゲーム機の)Xboxや(スマートフォンの)ウィンドウズフォンとも連携させていく。
スカイプとマイクロソフトのソフトウエアが連携することにより、ビジネスにおける遠隔地での会合、しばらく会っていなかった人々の再会、家族同士の心に残るような会話など、すばらしい体験を提供できる。この分野でリーダーシップを発揮することを目指したい。
──スカイプを傘下に入れたことで、スマートフォン分野で先行するアップル「アイフォーン」やグーグル「アンドロイド」を抜き去ることはできますか。
モバイル分野は、これからも大きく革新していく分野だ。ハードウエアデザインにおいても、ソフトウエアにおいても、またデバイスの上で展開されるサービスにおいても、さまざまな革新が必要だ。
現行のスマートフォン用OS「ウィンドウズフォン7」に関しては、最新のアップデートにより、画面上に現れるユーザーインターフェイス(UI)を大きく変えた。前面に出てくるものは、もはやアプリケーションではなく、ユーザー自身と、ユーザーがつながりを持つ世界だ。
こうしたUIの考え方は、(検索エンジンの)ビングに関しても、スカイプに関してもいえる。われわれが知っていることをユーザーに強制するのではなく、ユーザーの関心事項を前面に出していくことが重要だ。モバイルの分野ではノキアとも提携をしているが、ノキアとのパートナーシップを通じて、ハードウエアデザインにおけるさまざまな革新を、ソフトウエアの革新と同時進行で実現できるようになった。
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