スカイプ買収で"通信のリーダー"も狙う

MSのスティーブ・バルマーCEOに聞く

Steven A.Ballmer 1956年3月24日生まれ。ハーバード大学在学中に知り合ったビル・ゲイツ会長に誘われて80年にマイクロソフト入社。2000年1月にCEO職をゲイツ会長から引き継ぎ現在に至る。
マイクロソフトは5月10日、無料インターネット電話最大手のスカイプコミュニケーションズを約85億ドルで買収すると発表した。この巨額買収により、スマートフォンなどのコミュニケーション(通信)分野で巻き返す狙いがある。しかし、この分野のライバルであるアップル、グーグルは次々にマイクロソフトの得意領域に攻め込み、大きな成果を上げている。1年半ぶりに来日したスティーブ・バルマーCEO(最高経営責任者)はインタビューの中で、「競争は大歓迎」と繰り返し、余裕たっぷりで応じるのだが、内心は穏やかではないはずだ。

ユーザーベースを連携させていく

──スカイプを買収しましたが、この買収の意図は?

最も重要なことは、今後、マイクロソフトがどのように人々の生活にイノベーション(革新)をもたらしていくか、というシナリオだ。現在、通信分野においてさまざまな革新が起きているが、その先行きを考えた場合、スカイプが果たす役割は非常に大きい。スカイプは通信分野ではすでに世界トップのブランドでもあり、非常に大きなユーザーベースを持っている(利用者は約6億6300万人)。

今後、スカイプのユーザーベースと、「オフィス」のユーザーベースを連携させていく計画だ。さらに、(家庭用ゲーム機の)Xboxや(スマートフォンの)ウィンドウズフォンとも連携させていく。

スカイプとマイクロソフトのソフトウエアが連携することにより、ビジネスにおける遠隔地での会合、しばらく会っていなかった人々の再会、家族同士の心に残るような会話など、すばらしい体験を提供できる。この分野でリーダーシップを発揮することを目指したい。

──スカイプを傘下に入れたことで、スマートフォン分野で先行するアップル「アイフォーン」やグーグル「アンドロイド」を抜き去ることはできますか。

モバイル分野は、これからも大きく革新していく分野だ。ハードウエアデザインにおいても、ソフトウエアにおいても、またデバイスの上で展開されるサービスにおいても、さまざまな革新が必要だ。

現行のスマートフォン用OS「ウィンドウズフォン7」に関しては、最新のアップデートにより、画面上に現れるユーザーインターフェイス(UI)を大きく変えた。前面に出てくるものは、もはやアプリケーションではなく、ユーザー自身と、ユーザーがつながりを持つ世界だ。

こうしたUIの考え方は、(検索エンジンの)ビングに関しても、スカイプに関してもいえる。われわれが知っていることをユーザーに強制するのではなく、ユーザーの関心事項を前面に出していくことが重要だ。モバイルの分野ではノキアとも提携をしているが、ノキアとのパートナーシップを通じて、ハードウエアデザインにおけるさまざまな革新を、ソフトウエアの革新と同時進行で実現できるようになった。

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