景気後退でも2ケタ成長できる マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOに聞く
あらゆるところで1位になることを目指す
――10月末発表の「ウィンドウズアジュール」はマイクロソフトにとって転換点といえますか。
外部から見たらそうかもしれませんね。ただ内部では長いこと取りかかっていたテーマです。実際の転換点は3年前でした。私たちの考えでは、コンピューティングには四つの柱がある。クラウド、データセンター、パソコン、携帯電話。将来的にはテレビもあります。マイクロソフトはクラウド向けのアジュールを発表したことで、すべての分野でプラットフォームを用意しました。
――パソコンとデータセンターでは強いが、携帯電話では劣勢です。
確かにパソコンでは90%以上のシェアを持つ。データセンターではシェア65~70%は占めているが、パソコンほど強くはない。携帯電話でのシェアはシンビアンが1位で、ウィンドウズモバイルは2位です。ほかにもたくさんのOSがある。しかし、ここはまだ新しい市場です。
クラウドでの最大の競合はアマゾン。グーグルにはプロダクトがないので、本当の意味でのプレーヤーとは考えていない。マイクロソフトはあらゆるところで1位になることを目指します。
――クラウド時代にはアマゾンがライバルですか。
アマゾンは優秀な会社だが、基本的に彼らはリテーラー。ハイテク業界の中核企業となる使命があるのかどうかわからない。アジュールはマイクロソフトのコアミッションに直結するが、書籍販売の会社にとっては、はたしてどうか。
マイクロソフトの場合、コアビジネスの一部がクラウドに移っていくことになる。クラウドにも力を入れなければ大事なビジネスを失ってしまうわけです。
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