「日経平均株価2万7000円の懸念」が消えないワケ 市場が不安視する「中東以外のリスク」とは何か
いきなり結論から始めてしまって申し訳ないが、ひとことで言うと、日米を中心とした主要国の株価見通しは以前とまったく変わっていない。読者の方々におかれては、「そうか、じゃあ読むのはやめておこう」ということではなく、ぜひこの後もお読みいただきたい。
「近いうちに」、日経平均株価が2万7000円あたり、ニューヨーク(NY)ダウ30種平均株価が3万ドルあたりまで調整する、という見通しを堅持している(20日現在の終値はそれぞれ3万1259円、3万3127ドル)。
「市場は常に正しい」とは限らない
このように予想する背景要因も、まったく変わっていない。投資環境について、何かとても悪いことが起こると見込んでいるわけではない。
日経平均は7月初めまで、NYダウは8月初めまで株価が上昇したが、これは投資環境がそれほど良くないにもかかわらず、「買われすぎに買われすぎを積み上げてきた結果」であり、危うい状況であった。そのため、筆者は上昇時も、自然体で「買われすぎから正常な水準に戻る」「誤りの仕切り直しが行われる」と考えてきたし、今もそう考えているにすぎない。長期では強気見通しを立てていることも変わっていない。
過去の記事でも何度も述べているが、筆者は「市場はつねに正しい」とは少しも思っておらず、「市場はしばしば誤る。なぜなら市場価格を形成しているのは人間の売買であり、人間は集団でしばしば誤るからだ」と考えている。
この見通しに対する詳しい主要な要因については、「買われすぎの日米の株価はどこまで下落するか」(9月25日配信)で網羅的に整理したつもりだ。あらためて自身で読み返してみたが、さまざまな論点をきちんと尽くすことができていたと感じた。
そのため、そうして提示した見解を変更する必要をまったく感じない。つまり「自画自賛」状態だ。「お前は『自賛』している場合ではない、ただの『じいさん』だろう」とのツッコミはあるだろうが。
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