米国株が変調をきたしている。同国市場の代表的なS&P500種指数は、7月末に年初来高値をつけた後、約2カ月も冴えない値動きが続いている。
米国株のさえない値動きは長期化するのか
9月末時点では4288ポイントと、ほぼ6月初旬以来の水準まで下げた。もちろん、株安の要因はいくつかあるのだが、やはり8月以降は10年物国債金利(長期金利)が一時4.7%台となるなど、金利上昇が続いている。これが、いわゆるメガキャップ株(時価総額がきわめて大きい銘柄)が牽引してきた同国市場に、大きなブレーキをかけている。
長期金利がここまで上昇するのは、2007年の秋口以来だ。その後、2008年のリーマンショックで歴史的な株式の大暴落が起きた。その経験から、大幅な金利上昇が当時のような大混乱をもたらすのではないかと懸念されているのかもしれない。
そこまで極端なシナリオではないにしても、市場ではFRB(連邦準備制度理事会)の引き締めによる金利上昇が、経済を失速させるシナリオは強く意識されているとみられる。
実際に、金利と比較すると、米国株の益利回り(1株当たり利益/株価)は割高となり、株式の魅力は従来からかなり低下している。これらを背景に当面は金利上昇が株価の頭を抑える場面が続くかもしれない。
ただ、「ジャクソンホール会議後、市場は波乱となるのか」(8月25日配信)でも述べたが、株式市場は今年の春先から経済成長やインフレのソフトランディングを予期、先んじて上昇していた。
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