米国株の下落が長期化する可能性は高くない 一時5%へ上昇した長期金利をどう見るべきか

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10月31~11月1日は、アメリカでFOMC(連邦公開市場委員会)が開催。米国株の下落は続くのだろうか(写真:ブルームバーグ)

米国株の下値模索の動きが続いている。代表的な指標であるS&P500種指数は、7月末に年初来高値(4588ポイント、終値)をつけてから下げに転じ、10月27日時点では4117ポイントと、同高値から約10%低い水準で推移している。

長期金利への市場の心理は依然混乱状態

株安が続く要因としては、10月に入って、ガザ地区での紛争勃発という地政学リスクが加わったこともあげられる。だが、やはりアメリカの長期金利(10年国債金利)が一時5%超となるなど、急上昇していることが大きな要因になっている。

S&P500種指数は年初(3824ポイント)から見ればまだ約8%上昇しているが、いわゆるメガキャップ(超大型)株の上昇でその多くが説明できることもあり、長期金利上昇には脆弱である。

10月に入ってから、FRB(連邦準備制度理事会)の多くのメンバーが、この長期金利上昇が金融引き締め的に作用するため、「長期金利上昇が利上げに代替する」との認識を相次いで示している。

これらは10月31~11月1日に開催されるFOMC(連邦公開市場委員会)で、当局が利上げ見送りに傾いているとのシグナルであり、FRBの利上げ姿勢はやや柔軟になっているとみられる。

10月19日にニューヨーク経済クラブで講演を行ったジェローム・パウエルFRB議長も同様の考えを否定しなかった。このときにはパウエル議長が、「長期金利上昇を容認」と受け取れられかねない発言をしたことが注目され、同氏の発言後に長期金利上昇と株安が続いた。

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