アイナ・ジ・エンド「睡眠2時間だった日々の本音」 BiSH解散、そして映画『キリエのうた』で演じて
夢と現実が交錯する舞台で、岩井監督の独特で魅惑的な世界観が描かれた。彼の演出では、「なかなかカットがかからない」「一度演じた芝居を変えてみよう」など、より自由な表現が求められた。
アイナは本格的な演技は初めてだったが、岩井監督から特定の指示が出されることはなかったという。
芝居、ダンス、歌、全ての表現が深くつながっている
「カットがかからない15分間のアドリブ演技は、コンテンポラリーダンスに似ていて、すぐに私の中でつながりを感じることができました。正直、お芝居をしている感覚がなかったくらい。4歳からずっとダンスに専念してきましたが、演技は完全に別のものとみなしていました。でも、撮影が進むにつれて、芝居、ダンス、歌、これら全ての表現が深くつながっていることに気づいたんです」
音楽の世界では経験することのなかった俳優陣との共演は、アイナに新しい刺激を与えていた。
「広瀬すずちゃんは、撮影になると黒目に魂が宿ったようになって、オーラが変わり、完全に別人になる。『あ、これが演じるってことなんだ』と。でも、彼女の芝居は周りの人を巻き込みつつも、独りよがりではまったくない。天才だなって。すずちゃんは私にとって“演技の教科書”なんです」
アイナが演じるキリエは、歌以外では「声」を出せない路上ミュージシャン。一方、広瀬すずが演じるイッコは、キリエのマネージャー。
そんな二人のクランクインは雪原のシーン。広瀬すずはこう振り返った。
「ワンカット目のアイナちゃんが歌うシーンは、すごく広い画から撮っていて、周りに全然スタッフさんがいなかったので、アイナちゃんの歌声を私だけが聞いていて。すごく贅沢なクランクインだったことが印象に残っています」
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