震災支払いが損保の業績を圧迫、地震保険の募集は休止

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前期の出再正味保険料(再保険契約の保険料)の総額は、東京海上日動3600億円、MS&AD4226億円、NKSJ3211億円だった。これから再保険市場が正常化しても、再保険料率の上昇は収益圧迫材料になりうる。

再保険だけではない。前期は主力の自動車保険で、販売停滞と損害率上昇が鮮明になった。特に高齢者の事故件数増に対応した料率引き上げを各社とも狙っている。損害保険ジャパンは4月に導入。ただ東京海上日動は、被災地の契約者に十分な説明ができないとして、当初7月の予定を12年1月に延期した。三井住友海上火災保険も検討中だが、実施時期は未定だ。

震災の打撃、自動車保険の長期低迷というダブルパンチ。再編の進んだ損保業界だが、環境悪化は当面やみそうにない。持ち株会社下の損保子会社「合併」など、統合効果の追求を、今後一層加速する必要がありそうだ。

(石川正樹 撮影:尾形文繁 =2011年6月4日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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