「キングオブコント2023」混戦必至!決勝の注目組 巧みな中堅組と粒ぞろいの初出場組の戦い

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他方、そのハナコの優勝によって、しばらく日の目を見なかったのがファイヤーサンダーだ。同じ事務所の同世代のコント師で、同じ2018年に『ABCお笑いグランプリ』で優勝。同大会で関東を拠点に活動する芸人が優勝するのは初の快挙だった。

ファイヤーサンダー キングオブコント2023
ファイヤーサンダー(写真:番組公式サイトより引用)

しかし、その数カ月後にハナコがキングオブコント王者となり、どことなく存在感が薄れてしまった。それから5年後、ようやく彼らは決勝へと勝ち上がった。“ネタばらし”の後に仕掛けられた面白さが本番でハマれば、ファイヤーサンダーの大会になるかもしれない。

アクの強さなら、カゲヤマが今大会随一だろう。

キングオブコント2023 カゲヤマ
カゲヤマ(写真:番組公式サイトより引用)

昨年の『M-1グランプリ』準決勝では長髪にヒゲ、メガネが特徴のタバやん。が妹役を演じる中、相方の益田康平が「キモすぎやしねぇかぁ~!」と叫ぶ姿が印象的だった。今大会の準決勝でも、彼ららしい持ち味がよく出ていた。インパクトのあるバカバカしさで優勝を引き寄せられるか。

オール巨人から絶賛されたコンビも

独特な世界観という点では、隣人の橋本市民球場と中村遊直が突出している。2021年の『ytv漫才新人賞決定戦』でセンターマイクをほとんど使用しない漫才を披露し優勝。審査員を務めたオール巨人から絶賛されたコンビだ。

隣人
隣人(写真:番組公式サイトより引用)

コントにおいても、ある種の非日常感とネタ中のシステムがよく機能していた。舞台上の彼らの空気感は、笑い飯の芸風にも通じるところがある。これが観客にハマるかどうかで、決勝の風向きが大きく変わりそうだ。

一方、世代を問わず一定の笑いを生むであろうコンビがサルゴリラだ。トリオ時代のジューシーズ(2015年に松橋周太呂が脱退)を含めれば、ファイナリストの中でもっともキャリアが長い。赤羽健壱と児玉智洋の息の合ったやり取りが、会場の空気を味方につけられるか。

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